2016年4月20日

4月20日  TPPの行方

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TPP 今国会見送りへ 政府・与党、会期延長せず
政府・与党は19日、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案に関し、今国会での成立を見送る方針を固めたとのことだ。熊本地震などの影響で想定していた審議時間を確保できず、月内の衆院通過が難しくなったためだ。7月の参院選をにらんで6月1日までの国会会期も延長しない方向である。参院選後に予定する臨時国会での早期成立をめざしている。

TPP交渉が暗礁に乗り上げている。表向きの理由は熊本地震の被災者支援対策を優先するためとの主張がでているが、夏の参院選に向けた選挙対策の意図が見え隠れしている。TPP法案が出来た当初より問題となっているのが国内産業の保護である。外国産の安い米や肉といった農産物が国内に入ってきた場合、国内農家の生活が立ち行かなくなる可能性がある。日本と違い広大な農地で大規模な機械化の進んだ海外の農産物は価格競争力が高いからだ。今後、日本は別の方法でマーケットを築く必要があるだろう。自分が子供の頃、日本にタイ米が入ってきたことがある。1993年、記録的な冷夏で稲の発育が悪く、深刻な米不足に陥った。いわゆる1993年米騒動と呼ばれた時だった。小学校の給食で出てきたタイ米を生まれて初めて食べて、「白米が食べたい」と思ったものだ。パサパサとした食感で、臭いもきつい。正直美味しいと思えなかった。しかし、タイ米自体はチャーハンやカレーには合う。ただ輸入してきて食卓に並べても、その国の食文化に馴染むわけではなく、工夫次第だろう。食材を含む商品というものは扱い方でいかようにも長所を活かせる。今、日本の農産物は東アジアの新興国で人気を集めている。多少値段が高くても、栄養価が高く、美味しい日本の野菜は特に人気が高い。中産階級が増え、嗜好が変化してきたことが背景にある。TPPが仮に成立した場合、日本人は海外の野菜を食べ、海外で本場の日本産の食べ物に出会うようになるかもしれない。個人的には、寂しい未来の日本の姿であって、そうなって欲しくないと思ってしまう。

(市川 淳)

TPP・・・環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築する経済連携協定。