2016年3月31日

3月31日  海外の視線

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訪日外国人「2030年に6000万人」政府、観光戦略で新目標
政府は30日午後、訪日外国人旅行客の拡大に向けた具体策を検討する関係閣僚と有識者による会議「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)を開催した。その際、訪日外国人数を「2020年に4000万人、30年に6000万人」に増やす新目標を決めた。「20年に2000万人、30年に3000万人」としてきた従来の目標から大幅に上積みし、受け入れ環境の整備も急ぐ。政府は日本の経済成長には「観光立国」の推進が不可欠とみて、観光戦略の推進に注力する方針だという。15年の訪日外国人は1973万人だった。想定以上のペースで増えていることもあり今回従来目標を改めた。今後は地方も含めた受け入れ体制の整備が課題となるだろう。

訪日外国人数が足元で拡大している。不調な企業業績や伸びない株価、安保問題で揺れる内政等、明るい話題に事欠いた本年度のなかで、良い日本の未来を感じられる数少ないテーマではないか。来月の伊勢志摩サミットも含め、東京や大阪、京都といった大都市以外にも外国人の注目が集まるだろう。昨年はタイ人の間で佐賀県が爆発的なブームとなった。前年比で4倍のタイ人が訪れたという。原因は昨年タイで放送された佐賀をロケ地としたドラマのヒットがある。内容はタイ人が日本で着物の作り方を学びつつ日本文化の素晴らしさに気付いていくというもの。制作会社はタイの会社だ。筆者のタイ人の友人でそのドラマファンがいて、やはり現地を訪れてロケ地巡りをしている。「佐賀はとてもいいところ。やっぱり田舎はいいね」と言われて驚いた。大都市東京や大阪を訪れて、良質な日本製品とリッチなホテル滞在を楽しむ、というのがかつての訪日客の滞在の仕方だった。今は空気や水の綺麗な日本の田舎に滞在してその土地の自然や風土を楽しむ。日本を訪れる理由が変わりつつあるようだ。今、渋谷でボストン美術館が浮世絵を公開しているが、日本では大衆文化だった浮世絵を美術品まで昇華させたのは海外の目だった。外からの意見が、日本の本来の価値を表わす。注意して耳を傾ける必要があると思う。

(市川 淳)

伊勢志摩サミット・・・伊勢志摩サミットは、2016年5月26日(木)~27日(金)に開催予定。安倍総理は、開催地決定の理由として、「日本の美しい自然、そして豊かな文化、伝統を世界のリーダーたちに肌で感じてもらえる、味わってもらえる場所」と述べた。
サミットの開催に合わせ、外務大臣会合、財務大臣・中央銀行総裁会議などの関係閣僚会合が日本各地で開催される。