2016年3月30日

3月30日 国家予算の行く先 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

首相、予算執行前倒しを指示 経済対策検討も本格化
一般会計の総額が96兆7218億円と過去最高の2016年度予算が29日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決し、成立した。安倍晋三首相は首相官邸で記者会見し、景気テコ入れのため「予算を早期に執行することが必要だ。可能なものから前倒し実施するよう麻生太郎財務相に早速指示する」と表明したとのことだ。5月に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、経済対策の検討も本格化する見通し。

「一億総活躍時代」を実現するため、安倍首相も本格的に活動を始めた。社会保障費として、手当や奨学金を国家予算から捻出し、日本で学び、働く人間皆が幸福で豊かな生活を実現する。公共事業の拡大を通じて需要を生み出し、企業業績も国主導で牽引していく。日本の行く、先々の未来は明るい。そんな未来想像図を国民に描かせるコミットメント効果を与えるのも政治家の役割であろう。しかし、私の頭の中に不吉な想像が二つよぎる。一つは2017年の消費増税だ。国費をばらまき、景気対策に力を入れた外面をもって増税に舵を切る。筆者も再三触れているが、消費を抑圧する消費増税は生産を縮小させ、所得を低下させる結果を生む。しかも、一度引き上げた税金が下がる可能性は低い。もう一つが膨らむ防衛費だ。5兆円を超える防衛費は、昨日施行された集団的自衛権に関わる自衛隊の費用等に振り分けられる。昨日北朝鮮が再度ミサイルを発射した状況を考えると、国際社会の混乱は今後も続くだろう。そのなかで日本が無関係でいられる時代は政策上は終わった。個人から集めた血税が、日本人が戦地で血を流すためのお金にならないよう心から願う。

(市川 淳)

一般会計・・・会計年度 (日本では4月1日から翌年3月末日まで) における国の一切の現金収入 (歳入) と現金支出 (歳出) の出納を一般的に経理する会計をいう。ほかに特別の法律に基づいて設置された 38の特別会計などがある。