2016年3月24日

3月24日 資源安が総合商社に起こす逆風

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三菱商事 減損で連結赤字へ
三菱商事と三井物産が2016年3月期に初の連結最終赤字に転落する見通しだと発表した。資源安で保有権益の減損損失が膨らんだ模様。三菱商事の赤字額は1000億円台となりそうだ。三井物産は700億円の赤字になる見込み。資源に依存した大手商社の収益構造は見直しを迫られているかたちだ。

世界中で進んでいる資源安が日本の総合商社に影響しています。三菱商事の場合、チリの銅権益や豪州の液化天然ガス(LNG)権益での減損損失が大きな要素となっているようです。そもそも減損損失とは、投資した固定資産等の収益性が悪化し、その資産への投資が回収できなくなったと判断した時に計上する損失です。そして、税務上は損金算入が認められない(損として扱われない)と考えられており、企業からすると「見込んでいた利益が上がらないだけでなく、税金が安くなるわけでもない」というダブルパンチになってしまいます。また、資源安は商社の「手数料ビジネス」にとってもマイナス材料です。総合商社はエネルギーなど貿易の仲介で、その売買金額に手数料率をかけて収入を得ていますが、資源安はこの手数料ビジネスを直撃します。
減損損失は投資家のためにあらかじめ損失を計上し公表するという性格を持っています。これを伏せたままでは公平性がなくなるからです。昨年は粉飾会計をした企業が問題視されましたが、誠実で公平な会計処理が社会から望まれています。

(ナカモト)

減損損失・・・固定資産の収益性が低下して、その資産への投資が回収できる見込みがなくなった時、帳簿価額の減額分を固定資産の減損という。これは帳簿価額のうちの回収不能見込額であり、その際の会計処理が減損会計。