2016年3月16日

3月16日 春闘 分かれた明暗

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ベア トヨタ1500円、日産は満額回答 
15日、トヨタ自動車の2016年春季労使交渉は月給を一律に上げるベースアップを1500円とすることで決着した模様。15年実績の4割弱の水準で、トヨタと同額の日立製作所など電機大手は半分となる見込み。3年連続のベア実施だが、新興国経済の失速や円高など景気の不透明感が強く、伸びは小幅にとどまる形だ。デフレ脱却を探る日本経済に影響が出る公算が高い。

本日は春季労使交渉における自動車、電機大手などの一斉回答日となっていますが、比較的足並みが揃っていた昨年とは状況が異なっています。国内トップの時価総額を誇るトヨタは要求3000円に対し、半分の1500円で回答。同じ自動車業界の日産自動車は3000円の満額回答です。この差はいったい何なんでしょうか。
トヨタは2015年4月~12月の第3四半期の決算で、売上高・純利益とも史上最高益を更新しました。足下の業績は絶好調であるにも関わらず、ベアについては昨年実績の4000円の4割にも満たない額です。その背景にはアメリカの利上げが影響しています。ローンを組んで購入することが多い自動車にとって、利上げは購入の足かせとなり得ます。中国に強みを持つ日産とは対照的に、北米を主戦場としているトヨタとしては強気になれないのでしょう。
また、大手が軒並み昨年実績を下回るベアを決めた中、新日鉄住金は昨年よりもベアの幅を増額する見込みです。中国の需要減は売上を押し下げる要因ですが、世界的な資源安によってそれを上回って仕入れコストが抑えられているのでしょう。新日鉄の収益改善につながっている可能性があります。
安倍政権は雇用・所得の拡大を訴えてきましたが、日本を代表とする企業のトヨタでさえベアに慎重です。金融業界に至ってはベアを要求すらしませんでしたが、日銀が決めたマイナス金利への明確な反対姿勢とも取れます。私にはアベノミクスが国民生活を良くしてくれる兆しは見えていません。

(ナカモト)

ベースアップ・・・賃上げのうち定期昇給ではなく,従業員全体の平均賃金水準を引き上げることによる賃金上昇。年功賃金カーブにおいて,カーブ全体が元の形を変えないで上方にシフトすることを意味する。定期昇給の場合には,賃金の上昇率は個人によって差があるが,ベースアップの場合,個人の業績などによる上昇格差はない。