2016年3月10日

3月10日  お金の居場所

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タンス預金急増 
日銀のマイナス金利政策を受けて、世の中に出回る現金が大きく増えている。日銀の統計によると2月の現金の流通量の伸び率は前年同月比6.7%増で13年ぶりの大きさのようだ。預金金利がゼロ近くに下がっているのを踏まえ、銀行に預けるより自宅の金庫などにお金をためこむタンス預金が広がっている。

個人の銀行離れが進んでいる。原因の一つは下げ止まらない金利で、僅かな預金金利がついても引き出しの手数料で預金者は結果損をする。ならば手元に置いておく方が得だと判断した結果だろう。もう1つの原因は、マイナンバー始動で自分の預金の動きを政府に把握されたくないからという思いが挙げられる。一昔前だと本の間や絵の後ろに「へそくり」を貯め込んだりしたものだが、欧米ではこうしたお金を「アンダー・ザ・マットレス」と呼ぶ。ベットの下に人に知られたくないお金を貯め込むことからそう呼ばれているそうだが、国民性や国によって違う習慣を表していて面白い。しかし、こと経済面ではこのタンス預金はお金が循環しないという点で負の要素を持つ。銀行は「信用創造」という役割により、預金者から預かったお金を企業等への貸出に回し、お金を有効活用する機能を果たす。その機能が根本から崩れようとしている。お金の保管に金庫の売れ行きが伸びたり、警備会社への引き合いが増えたりと局所的な経済効果は生まれるだろう。しかし経済全体では悪い現象といえる。

(市川 淳)

信用創造・・・信用創造とは、お金の流れが繰り返されることで、マネーストックが増加していくプロセスです。民間の金融機関が預金を預かる場合、日銀に対して預金の一定割合の準備預金を預けますが、それ以外の預金は貸出しに回して金利収入を得ようとします。こうしたお金の流れが波及的に繰り返されます。