2016年3月1日

3月1日  金融緩和の嵐

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中国が追加金融緩和 
中国人民銀行(中央銀行)が29日、追加の金融緩和を決定した。市中銀行から強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.5%引き下げることとなった。景気の減速が続くなかで、金融機関の貸し出し余力を増やし、企業の資金調達を後押しすることが狙いである。人民元相場を買い支える為替介入に伴い、目減りする国内の流動性を穴埋めする目的があるとみられる。3月1日から実施する。預金準備率の引き下げは2015年10月以来である。

世界的な金融緩和政策が止まらない。マイナス金利を導入した欧州や日本に続き、中国が預金準備率の引き下げという政策を実行した。金融機関は資本の健全性を保つため、一定の預金を中央銀行の当座預金に預ける必要がある。それが預金準備率である。今回の決定で中国の大手金融機関の標準の預金準備率は17%となる。金融機関の貸出余力を拡大させ、企業の投資余力を増す狙いだ。底値の見えない株価への対策とも受けとめられる。しかし、欧州や日本での前例が示す通り、政策主導の金融緩和政策が市中に回るお金の量を増やす結果には繋がっていないのが現状である。同日の紙面ではユーロ圏の消費者物価が前年同月比で0.2%減に陥っている。これは金融政策の限界を表す現象といえる。アカデミーの世界において、市中に出回るお金の量で景気を調整しようというマネタリストと、財政主導で公共事業を拡大し有効需要を生み出そうとするケインズ派の拮抗が経済学を席巻している。先日開催されたG20での各国主導による財政出動への要請にみられる通り、軍配は後者に上がりそうだ。

(市川 淳)

金融緩和・・・中央銀行が不況時に景気底上げのために行う金融政策の1つ。金融緩和政策ともよばれる。景気が悪化したとき、国債を買い上げたり政策金利と預金準備率を引き下げたりすることによって通貨供給量を増やし資金調達容易にする政策をさす。また、国債や手形の買い上げによって通貨供給量を増やす政策を、特に量的金融緩和政策(量的緩和)という。