2016年2月24日

2月24日 法人用マイナンバー運用の狙い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

企業版マイナンバー活用 厚生年金加入逃れ抑止 
厚生労働省は従業員のための厚生年金や健康保険への加入手続きを企業が怠らないよう対策を打つ。4月より企業版マイナンバー(法人番号)を活用し、2017年度末までに全ての未加入企業を特定する方針。未加入の疑いのある企業は79万社にのぼると見られる。悪質な企業には立ち入り検査を実施し、強制加入手続きも辞さない構えだ。

日本の行政は縦割りであることが問題視され、縦割り構造の是正がマイナンバー制度導入の大きな動機でした。厚労省、年金機構、国税庁が組織の垣根を越えて調査を進めたところ、約80万社に厚生年金未加入の疑いがあることが判明したようです。総務省の発表によると日本の法人数は約412万社ですが、これには休業状態のものやペーパーカンパニーなども含まれますので、実働数は300万社程度でしょうか。そのうちの80万社というと4分の1を超える数ですので、膨大な作業になるはずです。昨年から割り振りが行われている法人用マイナンバーによって作業が効率よく進捗しているところまでは行政の狙い通りでしょう。
日本の法人のうち、黒字企業は3割で残りの7割は赤字です。そもそも株式会社の存在目的は「利潤の追求」であることや、赤字経営の場合には金融機関からの融資が受けにくくなることから、7割の赤字企業も好んで赤字にしたい訳ではないと思われます。厚生年金に加入すると、労使折半であるために経営側にとっては負担が増えることになります。経営者が負担増を嫌って厚生年金に加入していないとすれば、ルールを守っている企業からすると不公平だと言えますし、何よりも従業員が保険に加入していないことになり、保障を受けられません。GPIFによる厚生年金の運用がうまくいっているのか?など様々な議論はありますが、現行のルールがある以上、加入逃れをしている悪質な企業に対するチェックの目は厳しくなっていくでしょう。

(ナカモト)

法人・・・自然人以外のもので、法律上の権利義務の主体とされるもの。一定の目的のために結合した人の集団や財産について権利能力(法人格)が認められる。