2016年2月9日

2月9日 アベノミクスの閉塞感

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「GPIF 自主運用認めず」 「実質賃金 4年連続減」 「街角景気 悪化」 
(1)公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に株式の自主運用を解禁するかを巡り、厚生労働省の社会保障審議会は8日、認めないことでほぼ意見が一致。GPIFが直接株式を持つと、国家の企業支配につながるとの懸念が強い。
(2)会社員らが2015年に受け取った賃金は当初の予測に比べて、期待外れの結果だった。厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計(速報)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年に比べて0.9%減少した。これで4年連続のマイナス。
(3)内閣府が8日発表した1月の景気ウオッチャー調査によると街角景気の実感を示す現状判断指数は前月比2.1ポイント低下の46.6。悪化は2カ月ぶり。年明け以降の株価下落が消費者心理を悪化させ、家計部門の指数が低下した。企業動向や雇用関連も下がる結果となった。

株価を支えていた主体の一つであるGPIFの自主運用は認められず、実質賃金は下がり続け、待ちゆく人の心理は悪化しているというニュースが並びました。内閣支持率が一時期よりも回復しているのとは対照的で、現政権はよっぽどアナウンスが上手いのではないかと評せざるを得ません。
GPIFが株式の個別銘柄を直接購入することは、公的な機関が民間企業の大株主になるという弊害も考えられますので、認められないことは納得できます。しかしながら、GPIFの買い支えを期待している市場からは短期的にはネガティブな取られ方をするかもしれません。
実質賃金は4年間連続でマイナスという事から、円安誘導のアベノミクスは国民生活に恩恵を与えていないことが浮き彫りです。大企業ですら今年の春闘は昨年に比べて控えめの賃上げ要求になると報じられており、経営者側もベアには慎重姿勢です。いくら政府が民間企業に賃上げを促しても、効果が表れてきません。街角景気ウォッチャーの結果がよく表していると言えます。政府の施政に頼っていても賃金は上がらないし、景気もよくなりません。そして、景気に左右されずに業績を伸ばしている企業、資産を増やしている個人は存在します。社会の風を読む目を養いたいものです。

(仲本 政康)

景気ウォッチャー調査・・・景気に敏感な職業の人たちをウォッチャーに選び、景気の現状や見通しをアンケート調査するもの。街角景気とも呼ばれる。2000(平成12)年1月から、毎月1回調査を実施し、内閣府が公表している。