2016年2月5日

2月5日 シャープが外資の買収を受け入れたワケ

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シャープ 鴻海が7000億円で買収へ
官民ファンドの産業革新機構からの出資案の受け入れから一転、シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の買収に応じる方向。シャープは産業革新機構の出資の対抗策として支援額を上積みした鴻海案の採用に判断が傾いた。鴻海の郭台銘董事長は4日夜に来日しており、5日からシャープや主取引行との詰めの協議に入るとみられる。

シャープ経営陣が産業革新機構の支援ではなく、台湾の企業による買収を受ける事を決めました。ホンハイの7000億円という出資規模は、革新機構の支援案に比べて単純計算で2000億円多い金額です。それも理由の大部分を占めるでしょうが、両者の案の最大の違いである「経営陣がそのまま会社に残れるかどうか」が決め手だったと思います。方や「経営陣の退任」、もう一方は「経営陣は現状維持」。これこそが買収受け入れの決定打ではないでしょうか。
先日の台湾の総統選では「中国とは距離を置くべきだ」という考え方の民進党の蔡英文氏が当選し、議会選挙でも民進党が過半数を獲得し政権交代が起こりました。ホンハイが日本の企業の買収に注力したのも、中国離れを目指している台湾全体の民意の表れなのかもしれません。
私個人としては、技術流出の可能性を考えるとグッドニュースだと感じていません。取引銀行も喜んで支援から退く訳ではないでしょう。外資買収受け入れの判断をしたシャープの今後の盛り返しに期待します。

(仲本 政康)

鴻海(ホンハイ)精密工業・・・台湾に本社を持つ世界最大のEMS (Electronics Manufacturing Service) 企業であり、フォックスコン・グループ(鴻海科技集団)の中核会社。EMSとは、電子機器の受託生産を行うサービスのこと。