2016年1月14日

1月14日 止まらぬ原油安の影響

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原油安 世界経済に重石
12日の米国市場で、原油先物の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が1バレル30ドルを一時下回った。30ドル割れは12年ぶりの出来事。本来、原油安は消費国経済にプラスにはたらくはずだが、世界経済の減速につながるとの見方が強まってきた。原油安の背景には中国を中心とした新興国経済の減速があり、金融市場の混乱が実体経済に影響を及ぼす可能性がある。

原油安は、ほとんどの日本企業にとってはプラスです。アベノミクスで円安が進んだ結果、日本企業の輸入コストは企業業績を圧迫しました。直接輸入を行っていない企業にとっても、商品などの仕入れ元が輸入を行っている場合は仕入れ価格に輸入コストが転嫁されるために、やはり業績を圧迫します。そもそも、経済活動に不可欠である電力供給が輸入燃料に頼っている経済構造である以上、円安は企業のコスト上昇の要因となっています。それに対し、原油安はモノの値段を押し下げる要因となるため、企業にとっても消費者にとっても恩恵を生むはずです。
逆に、原油価格が高いほうがプラスになる業界も存在します。代表的な2業種が石油元売り業者と総合商社です。石油を売っている会社が、石油が高く売れることで儲かることは想像がしやすいかと思います。もう一つの総合商社のビジネスの本質は、手数料ビジネス。つまりは、商売の仲介手数料は、高い金額の取引の方が多く発生するということです。昨日、住友商事が会見を開き、ニッケル開発で投資回収の思惑が外れ、770億円の減損損失の計上を発表しました。これは原油以外にも資源価格が低迷している背景から、商社の利益のさやが縮小していることを如実に現していると言えます。
原油安は長期的にみるとデフレ圧力になるという見方もありますが、それよりも短い期間で懸念される事態として「産油国の情勢悪化」が挙げられます。原油輸出の依存度が高い国としてはサウジアラビア・UAE・ロシア・ベネズエラ・エクアドル・コスタリカなどが挙げられます。こうして並べてみると、独裁色の強い印象があります。年初にサウジアラビアがシーア派の宗教指導者を処刑し、中東情勢に緊張が走りましたが、他の国とて原油安は国家の危機につながる可能性があります。。

総合商社・・・取扱品目がミサイルからラーメンまでといわれるほど多種多様に及び、また業務内容が単なる商品の仲介にとどまらず、海外資源の開発、プラント輸出における装置の取りまとめ、鋼材の加工配送センターや食品コンビナートの形成等多岐にわたっている大商社を指す。一般には、特定商品を中心に扱う専門商社と対比してこのように呼ばれる。総合商社は日本にだけみられるもので、アメリカには取扱金額で規模の大きな商社が存在するが、品目が穀物類に限られている。