2016年1月12日

1月12日 ANA、ベトナム航空出資の理由

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全日空 国営ベトナム航空に130億円出資
全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス、は国営ベトナム航空に出資し提携することで基本合意した。今夏にもベトナム政府から発行済み株式の8.8%を約130億円で取得する見通し。座席を相互に供給する共同運航で路線や便数を拡充していく。環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すると、アジアの航空需要は拡大すると見込んでいる。国際的な航空会社の合従連衡が進む可能性がある。

ANAはこれまでアジア圏の路線拡大に重点を置いてきましたが、海外の航空会社に出資をするのはベトナムが初めてです。ベトナムという国は、政府が対外開放・市場経済化してからまだ約20年ほどしか経過しておらず、経済発展の余地が大きいため海外資本から注目を集めています。特に日本では「チャイナ・プラスワン」戦略でASEAN諸国に資本がシフトしていた背景があり、賃金の低いベトナムは有力な投資先でした。ベトナム航空は海外出資を受け入れていませんでしたが、TPP発効後の需要拡大が見込まれる中でANAが業務提携に乗り出すことは双方にとって大きな転換点になりそうです。
ANAが海外事業に注力するのには大きな理由があります。航空業界では長く、「国内線に強いANA」「国際線に強いJAL」という位置づけが続きました。ところが日本国内は航空ビジネスが成熟期に入っており、国際線に活路を求めざるを得ない状況でした。JALの経営破たん後に、それまで均等だった羽田の発着枠配分がANAに多く配分されたことなども影響し、2014年には国際線の輸送量と「座席数X航行距離」で算出する「有効座席キロ」が初めてJALを上回ります。今後も積極的に国際線事業強化が続くことは間違いありません。
グローバルに見たとき、「東京」という都市の弱点は、国際空港から都心部へのアクセスが悪いことが挙がりますが、遅くとも2020年の東京オリンピックまでにその点が改善される必要があると思います。東京という都市はまだまだ可能性を秘めているはずです。

チャイナ・プラスワン・・・主に日本の製造業等が、製造拠点を中国に集中して構えることによるリスクを回避する為に、中国以外に生産拠点を持ち、分散投資をするという戦略。新たな投資先として、ASEAN諸国が注目されている。