2016年1月6日

1月6日 金利上昇局面に転じるリスク

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金融庁 銀行へのストレステストを義務付け
金融庁は、銀行が保有する国債や住宅ローンなどで市場金利の上昇によって損失が生じかねない「金利リスク」を厳しく点検する新たな監督の枠組み作りの検討を始めた。資産耐久度調査(ストレステスト)を義務付け、金利変動リスクを大量に抱える銀行に対し、早期に報告や業務改善の命令を発動しやすくする狙い。2016年度以降の導入をめざす。銀行の国債保有や住宅ローンに影響を及ぼす可能性がある。

日銀による異次元の金融緩和などにより、日本国債の金利は歴史的な低水準にあります。日銀の緩和が永久に続く措置ではないため、いずれ金利は上昇局面を迎えることになります。金融庁は、急激に金利が上昇した場合に各銀行が耐えられるか監視する役割があるため、ストレステストを義務づけるようです。
実際に金利上昇局面を迎えると、それまで保有していた低金利の債券は評価額が下がり、住宅ローン債権は不良債権化してしまう恐れがあります。銀行は「貸し倒れ引当金」を積み増ししないといけなくなり、経営を圧迫することになります。その事態に対する備えが十分かどうかを調査するわけです。
現在の国債の長期金利は0.3%を下回る水準で、住宅ローンは1.0%を切っている商品が登場している状況です。銀行にとって、住宅ローンは利ざやの少ない商品となってしまいました。しかしながら銀行にはブタ積みをするほどに資金が滞留しています(12/28海外融資残高 邦銀が首位に 参照)。銀行資金は今後どこに向かうのか行先を想像してみます。
2014年における国内金融機関の住宅ローン貸出総額は約15兆円でした。その内訳は実需用が13.5兆円で、投資用が1.5兆円です。ここで、実需用住宅ローンと投資用住宅ローンの違いとして「金利」が挙げられます。一般的に、投資用の住宅ローンは金利が高く設定でき、銀行からすると利益幅の取りやすい貸出先と言えます。利益の取りやすい商品が1割程度しか融資されていないことからすると、今後は投資用住宅ローンに資金が向けられる可能性があります。

いま気になるのは国債の保有主体の内訳です。以前は日本国債の95%を日本人が買っていました。しかしながら、欧州の低金利化が進んだここ2、3年で海外マネーが10%ほどの日本国債を保有するようになりました。彼らは日本国債を持ち続ける必要性がないため、一度売りに転じると潮が引くように日本国債から資金を引き上げる可能性があります。急激な金利上昇は国民生活にも影響が出ることは間違いないので、何かしらの備えを用意しておきたいものです。

ストレステスト・・・銀行の健全性審査のこと。2008年のリーマンショックによる金融危機や過去のブラックマンデー、アジア通貨危機等、金融市場での不測事態が生じた場合に備え、パニック状況に金融機関のポートフォリオ損失程度や損失回避策を予めシミュレーションしておくリスク管理手法のこと。不測な状態を想定し、金融機関がどこまで耐える事ができるのかを判断するテストを実施する。