2015年12月28日

12月28日 海外融資残高 邦銀が首位に

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海外融資残高 欧米勢の新興国離れで邦銀が首位に
日本の銀行がアジア向け融資などを増やし、2015年上半期に海外投融資残高が世界首位に浮上した。国際決済銀行(BIS)がまとめた各国の海外投融資残高統計によると、日本が今年3月末と6月末に英国を超えて世界一に。比較可能な1999年以降では初めて。6月末の残高は日本が3.5兆ドル(約420兆円)。金融大国として名をはせた2位の英国(3.4兆ドル)、3位の米国(3.2兆ドル)を上回った。

メガバンクなどが海外に融資をするには理由がいくつか考えられます。最大の理由は国内の金利が歴史的な低水準にあることでしょう。大手企業は融資を必要としていない場合もあり、優良な貸出し先が少ない状況です。個人向けの住宅ローンは「金利引き下げ合戦」の様相すら見受けられます。それに比べてアジアの新興国などでは高金利での貸付けを見込むことができます。為替のリスクを考慮しても、採算が合うという見立てなのでしょう。
そもそも、現在の国内金融機関には「金余り」が起きています。金融機関が預ける日銀の当座預金には「付利」と呼ばれる利子が発生します。その利息は0.1%と少ないものですが、下手な企業に融資して貸倒れるよりはマシだろうという考えのもとに「ブタ積み」されて滞留しています。
今回のニュースのポイントは、金融大国であるイギリスや、世界経済の中心であるアメリカの銀行は新興国への貸し出しを減らしていることです。邦銀が業務を拡大して首位に立ったと解釈すれば「邦銀のグローバル化が進んでいる」と評価できそうですが、今回は相対的に押し出された形です。ひとたび金融危機などが発生してしまった場合に大きなしっぺ返しが来ないように各銀行が策を講じているかが気になるところです。

ブタ積み・・・市中銀行が日銀に預けている当座預金の残高のうち、法定準備金相当以上の部分の預金のこと。本来各銀行が日銀に預けなくてもよい資金が当座預金に無駄に積み上がっていることから、花札用語の価値がないことを表す「ブタ」を用いてこう呼ばれる。