2017年8月1日

8月1日 TIBORの算出方法変更は政府の失敗の証拠?

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TIBOR 5年ぶり上昇

31日、企業向け融資の代表的な基準金利である東京銀行間取引金利(TIBOR)が約5年ぶりに上がった。24日から始まった指標改革で、より幅広い市場動向を反映するよう算出方法が変わった影響と考えられる。市場では金利の低下を予想する声が多く、予想外の動きに当惑の声も聞かれた。高い水準が続けば融資契約には金融引き締めに似た効果が現れる。

新聞で「東京銀行間金利、5年ぶり上昇」という見出しだけを見たとき、インフレの芽なのかな?と発想しました。よくよく読んでみると、TIBORの算出方法を変えたことによる影響が強いという解説でした。実際に、住宅ローン金利は底を打ったかのような動きも見せています。しかし、市場の心理としてはまだデフレマインドの方が強いのでは?というのが私の見立てです。今日はTIBORが算出方法を変えざるを得なかった理由にフォーカスを当てたいのですが、そもそもTIBORは銀行間の融資の実績を基に全銀協が毎日11時に公表していました。ところが異次元の金融緩和によって市中銀行にマネーが滞留するようになってから、銀行間の融資取引の需要が無くなり、取引が成立しない日が明らかに増えたのです。それにより、各市中銀行は推計値からTIBOR算出用の金利を申告していましたが、欧米各国から是正を促されて7月24日から算出方法を変更しました。このことからも、日銀の政策が機能しておらず、緩和マネーが日本経済の末端まで巡っていないことが説明できます。政府が目指す脱デフレの道のりが半ばであるうちに、インフレ対策を講じておくのが賢い選択でしょう。

(仲本 政康)

TIBOR・・・「Tokyo InterBank Offered Rate」(東京銀行間取引金利)の略で、「タイボー」と読む。金融機関の間で無担保で短期間の資金を融通する場合の金利水準で、企業向け融資の金利の基準にもなっている。代表的な指標は、海外市場の実勢レートを示すユーロ円TIBORで、国内だけの日本円TIBORに比べ、より広く取引されている。貸出期間が1週間から12カ月まで13の取引期間について、国内外の金融機関の金利の平均値を算出している。