2017年7月14日

7月14日 プライマリーバランス黒字化は夢のまた夢?

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20年度の基礎的財政収支 楽観シナリオでも赤字8兆円

内閣府は2020年度の国と地方をあわせた基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、8.1兆~8.2兆円の赤字になるとの見通しを近く公表する見通し。事実上の国際公約である「20年度までの黒字化」は達成が極めて難しい情勢になっている。歳出を増やす圧力が強まる一方で、国も地方も税収の減少基調が鮮明。アベノミクスはまき直しを迫られているかたちだ。

アベノミクスはうまく行っているのかという質問を、去年、一昨年の政府に投げたとしたら、「株価が上がり、税収も増えているのでうまく行っている」と答えたでしょう。裏を返せば成果として示せるのはそれくらいだったとも言えます。ところが株価上昇は続かず、税収の伸びもなくなりました。基礎的財政収支を2020年に黒字化するには、甘いシナリオを立てても8兆円規模の赤字となるようです。もしも、プライマリーバランスの黒字化を是が非でも達成しようとした場合、考えられるストーリーは大きく2つあります。1つは税収を上げる事。消費税はもとより、個人の所得税は上がっていく可能性があります。法人税は引き下げの方向で動いてきたのでいきなり反転するとは考えにくい。支出を抑えることも考えなくてはいけませんが、社会保障費を下げられるかと言えば、シルバーデモクラシー色が強い現状を見るに、不可能でしょう。やはり、しわ寄せは個人からいかに徴税するかという方向だと私は考えます。2つ目は、大インフレを意図的に起こす事です。リフレ派揃いの今の政府なら本当にやりかねません。増税、インフレに対抗する手段を講じておくのは非常に有効だと言えます。

(仲本 政康)

基礎的財政収支・・・プライマリーバランスとも呼ぶ。国債発行による借金を除いた税収など正味の歳入と、借金返済のための元利払いを除いた歳出の収支。収支が均衡していれば、借金に頼らず元利払い以外の支出を賄えている。90年代初めから国の収支は赤字が続く。政府はこの黒字化を財政健全化の「一里塚」と位置づけている。