2017年7月10日

7月10日 大企業が働き方改革に着手する理由

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「休み方改革」職場一斉 人材確保へ有休促す

従業員が休みやすい環境をつくる「休み方改革」に企業が動き始めている。セブン&アイ・ホールディングスは主要8社の約2万5千人を対象に、部署ごとに有給休暇を一斉に取得する仕組みを導入することを決めた。住友林業も今年から顧客への営業をしない「定休日」を年4日増やす方針。人手不足が深刻化するなか、優秀な人材の確保へ環境整備が必要と判断した模様。世界的に低い日本の有休消化率の改善につながる可能性がある。

政府が進めている「働き方改革」に一部の企業が動いた形ですが、その背景を探ってみます。結論を先に書いておくと、企業は訴訟リスク対策として休みを増やしていく形が主流になると予想します。「働き方」とは全く関係ないのですが、貸金業法の改正が周り巡ってくるのです。
最高裁が消費者金融に対する過払い金の返還を認めたのが2006年、貸金業法が改正されたのが2007年、そして過払い金の返還請求ができる時効は10年間。つまり、2017年までに多くの過払い金請求権は時効を迎える可能性があります。去年あたりから電車の広告やテレビCMなどで過払い金請求についての弁護士事務所の宣伝をやたら見かけたのは、過払い金請求の成功報酬で荒稼ぎした弁護士たちにとっては最後の稼ぎ時であることが理由に挙げられます。ではこの弁護士たちが次に何で稼ごうとしているかと予想すると、「未払い賃金、未払い残業代の請求」という候補が頭に浮かびます。2年間さかのぼってこれらを請求できるのですが、弁護士事務所がこれをネタに稼ごうとしてくるでしょう。ヤマト運輸は未払い残業代を支払うことを決定しましたが、その金額たるや190億円という高額なものになる見通しです。従業員が結託して集団訴訟を起こされたらマズイと考えた企業が従業員の待遇を見直すケースは今後増えていくと予想しておきます。

(仲本 政康)

過払い金請求・・・出資法の上限(年29・2%)と利息制限法の上限(年15~20%)の間の「グレーゾーン金利」をめぐり、最高裁は2006年、利息制限法を超える金利での貸し付けを原則無効と判断。法律事務所などを通じて、返還請求する債務者が急増した。日本貸金業協会によると、09~11年度に消費者金融から債務者に返還された額は5千億円を超え、12年度は約3700億円。今後、返還請求する債務者は大幅に減るとみられる。