2017年6月6日

6月6日 アラブの春は終わっていない

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対カタール サウジアラビアなど断交表明

5日、サウジアラビアなどは同じイスラム教スンニ派のアラブ国であるカタールと国交を断絶すると発表。カタールによるイスラム組織への支援や、サウジが急ぐ「イラン包囲網」を巡る立ち位置の違いなどが断交の背景にあると目される。中東情勢が不安定になれば日本のエネルギー調達を含め世界経済に悪影響を及ぼす可能性がある。

中東で巻き起こった「アラブの春」が始まってから7年、各国のその後の状況に大きな違いが生まれてきました。2011年にエジプトで独裁政権を築いていたムバラク政権が倒された時に、同国で初めて民主的に選出された大統領に就いたのはモルシ氏。国民の希望をかき消すように、そのモルシ氏も就任数カ月で司法の制限を受けないようにルールを書き換え、強力な権力を手にしました。そして1年も経たないうちに軍事クーデターにより退陣に追い込まれ、そのクーデターを指導したのがシシ現大統領です。モルシ氏はイスラム原理主義運動組織「ムスリム同胞団」の出身でしたが、シシ政権は同組織をテロ組織と指定しています。今回、エジプトやサウジアラビアなど数カ国がカタールとの国交を絶つと宣言した背景に、カタールが「ムスリム同胞団」を支援していた事が挙げられます。カタールはイスラム教スンニ派が多い国で、ムスリム同胞団もスンニ派の組織。中東情勢を理解するには宗教を理解することが不可欠です。日本はLNGの大部分をカタールから輸入していますので、そこの部分に影響が出なければ良いのですが・・・。

(仲本 政康)

ムスリム同胞団・・・20世紀エジプトで生まれたイスラム宗教社会運動の団体。ハサン・アルバンナーを中心に秘密結社として1929年4月イスマーイーリーヤで結成,33年,本部はカイロに移った。30~40年代を通じてしだいに都市の労働者,職人,小商人,学生の間に拡大し,公然たる運動となった。現代生活の全局面でのイスラムの徹底化を主張し,コーランを憲法とするイスラム国家の建設と社会的正義(アダーラ)の実現とを要求し,ウンマの内側に生じた腐敗・堕落を排撃して,巨大な大衆動員力をもつ政治・社会団体となった。