2017年5月18日

5月18日 暗雲覆う米国

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

米国株、ダウ急落し372ドル安 米政治混乱で、8カ月ぶり下げ幅
5月17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は急落した。前日比372ドル82セント(1.8%)安の2万0606ドル93セントで終え、4月21日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。米政治の混乱から景気刺激策の実施が遅れるとの警戒感が株式売りを誘い、この日の下げ幅は昨年9月9日以来、約8カ月ぶりの大きさとなった。

米国政界の動揺が同国の株価にも打撃を与えている。昨日の米国株式は、トランプ政権発足後最大となる下げ幅を記録している。ロシア政府との一連の癒着問題がトランプ政権への不信を招いているためだ。政権発足後は日本のメディアも「蜜月」と表現していたほど、ロシア大統領プーチン氏とトランプ氏の関係の良好さは国際外交の新たなステージと好意的に受け止められていた。歴史的に対立の続いていた米国とロシアのトップ接近はそれだけ世界から見ても意外であり、良い未来を描き得る協調関係に見えた。しかし、その良好な関係の裏側で、ロシア側に機密情報をトランプ氏が漏らしていたとなれば重大な米国国民への裏切り行為となる。弾劾の可能性もあるためトランプ氏の掲げていた減税政策や財政出動の実効性が不確実となり、期待先行で膨らんでいた株式市場に冷や水を浴びせる状況となっている。
言いたい事を言い、率直な表現で強いアメリカを主張してきた事にトランプ氏の人気の理由があると個人的に思う。それが、裏では他国に擦り寄るような行動をとっていたことに、他の政治家と同じ胡散臭さを感じとってしまう。米国民も同様の感情を持つとすれば、今後更なる内政不安が広がるかもしれない。インフラ投資も含め、米国の発展は日本企業の未来も左右する。トランプ氏の今後の舵取りに期待したい。

(市川 淳)

ロシアゲート問題・・・米国政府とロシア政府との癒着に絡む一連の問題。
例えば、プーチン政権要人と親交があり、ロシアで高額の講演料を得ていたフリン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、政権発足前にロシアのキスリャク駐米大使と制裁問題で密約を結んでいたことが発覚し、2月13日に辞任した。
セッションズ司法長官も選挙戦中に同大使と2度接触し、議会公聴会で否定する発言をしていたことから窮地に追い込まれた。
トランプ陣営が選挙戦中にロシア側と接触し、クリントン陣営へのサイバー攻撃を依頼していたとの疑惑もある。「ニューヨーク・タイムズ」紙(2月14日)は、トランプ氏の側近数人がロシアの情報関係者らと定期的に連絡を取っていたと報じた。