2017年5月11日

5月11日 トヨタの挑戦

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トヨタ純利益18%減 18年3月期、2年連続で減少
トヨタ自動車は10日に2018年3月期の連結業績予想を発表した。最終的なもうけを示す純利益は前期比18%減の1兆5000億円となり、2年連続で減収減益となる見通しとのことだ。北米市場など、先進国の減速で世界の販売台数が増えないうえ、為替レートを円高に想定したのが響く。一方、高水準の研究開発など将来の成長に向けた投資は続ける方針のようだ。

トヨタの業績見通しが暗い。日本を代表する大企業であるトヨタの苦境は日本経済全体に影響を与えかねない重大な問題だと思う。自動車は部品やパーツを含め、産業の裾野が広いためトヨタグループ単体では済まないためだ。円高の影響や他社に差をつけられつつある自動運転技術の遅れ、ウーバーのカーシェアリング等取り巻く逆境は様々だが、主力の北米市場の不振が大きく響いている。
北米の自動車市場はリーマンショック後、補助金等、米国政府後押しのもと売上高を伸ばしてきた経緯がある。しかし、利上げでカーローン負担が増加したことや販売が一巡したこともあり、市場がピークアウトしている状況にある。米コラムニスト・タイラー・ダーデン氏の試算によると、運転可能年齢の米国人について一人一台以上の車を所有しているとのことだ。加えて、カーローンが拡大してきた経緯のなかで、本来ならば借りられない人にも貸し付けを行ってきた金融機関で債券が焦げ付き始めているようだ。いわゆるサブプライムローンの車版だ。結果、差押えになった中古車が大量に市場に溢れ、新車販売のパイを奪っている。
新車の販売市場には逆風が吹いている状況だが、昨日トヨタが画像処理半導体大手の米エヌビディアと自動運転技術開発で提携すると発表した。今後人口知能やソフトの提供を受け、開発を進めるようだ。新市場の開拓に向け、今後急スピードで技術が発展するかもしれない。多少不遜な表現になるが、世界に誇るべき日本企業として、是非トヨタには頑張って欲しいと思う。

(市川 淳)

サブプライムローン・・・米国の信用力の低い低所得者向けの住宅ローン。審査が緩い代わりに金利は高いので、住宅ローン全体の中では目立たない存在だったが、2000年ごろから住宅価格が上昇するにつれて利用者が増え、それまでは住宅ローン市場全体の10%以下だったのが、06年から07年にかけては13〜15%を占めるまでに成長した。その後、利上げや住宅ブームの沈静化によって住宅価格が05年をピークに急速に値下がりを始めると、主に低所得者層からの返済延滞や債務不履行の問題が浮上した。