2017年4月28日

4月28日 日銀総裁のバイアスのかかった見方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日銀総裁、強気な姿勢

27日、日銀の黒田東彦総裁は金融政策の現状維持を決めた金融政策決定会合後に記者会見し、2018年度までの景気に強気の見方を表した。「輸出・生産を起点とする前向きの循環が強まっている」として、9年ぶりに「拡大」との表現を使用。ただ輸出主導の成長が賃上げを通して個人消費を底上げする好循環はまだ力強さを欠く。

日銀の黒田総裁は景気に対して強気な見方をしていますが、何をもって「9年ぶりに日本が景気拡大している」と述べているのかは疑問符がつきます。輸出・生産を起点とする景気拡大と言っても、日本で働く人の内、輸出をメインに稼ぐ企業から給料をもらっている人は決して多くはありません。自分の周りにそのような人はいないですし、統計データをみても日本の輸出依存度は12%弱です。つまりは国内産業の9割近くは輸出ではなく内需で稼いでいるハズなのですが、日銀総裁は輸出の好調さをアピールしています。実はこの点だけを抜粋しても日銀の金融政策や政府の経済対策が機能していない事が透けて見えます。日本の消費が盛り上がっていないことに目を背け、好調な輸出を強調することで政府・日銀の失策を認めないという構造です。日本経済の根本的な問題は国民全体の需要が弱いことです。その問題に対する改善策だけを集中して議論してもらいたいものです。

(仲本 政康)

日銀金融政策決定会合・・・総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)の計9名の委員で構成される。総裁・副総裁を含めて委員は、衆議院・参議院の同意を経て内閣が任命する、国会同意人事である。任期は5年。常勤であり、年間報酬は約2,600万円。