2017年4月20日

4月20日 オフィス賃料最前線

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビル賃料、満室でも下落 供給増加を見越し弱含み 不動産各社に危機感
2018年の大量供給を控えて東京都心部のオフィスビル市況に異変が生じている。空室は少なく、ほぼ満室状態が続いているにもかかわらず、賃料は弱含み始めている。供給の増加で、賃料が今後下落するとの懸念が高まっているためだ。高まる危機感に不動産各社は営業強化や新しいビルの建設、テナントの囲い込みに知恵を絞っている。

来年以降に予定されている大型ビルの供給ラッシュを見据え、足元のオフィス賃料が伸び悩んでいる。日本橋高島屋連結型のオフィスタワーや、港区の「虎ノ門パストラル」跡地に生まれる地上38階・高さ約180mの超高層複合ビル、100年に一度とも言われる渋谷駅周辺の再開発等、様々な開発プロジェクトが都内で進行している。2020年の東京オリンピックを控え、日本国内のみならず海外企業からも高まる都心オフィス需要に応えようと開発が急ピッチで進んでいる。2020年までには合計60万坪のオフィススペースが都心に提供される予定だ。この規模は2016年の都心5区のオフィス面積の8.3%に相当する面積。正直、このスピードの供給に追いつくペースで需要が短期間で高まるのかと思うと個人的には疑問がある。
賃料はオフィス移転が進まないと基本的には上がりづらい。既存のテナントに家賃の値上げをするのは多かれ少なかれハードルが高いからだ。そして、どうせだったら新設されたオフィスに移転したい、供給も多いならば賃料もそう高くならないのではないか、そんな思惑が今のオフィス賃料の下落を招いている。しかし今後、長期的に見たときには都心へのオフィス集中の傾向はさらに加速していくのではないかと思う。一つの要因としてIoTの発展がある。IT技術と他の様々な産業が結びつくには開発協力が必要となる。そうなると大企業の集まる都心はオフィスを構えるメリットが増すだろう。東京の更なる発展に期待したい。

 

(市川 淳)

IoT・・・Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」などと言われることもある。あらゆるモノがインターネットにつながることによる革新を指す。