2017年3月29日

3月29日 政府が変える「働き方」

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政府、働き方改革へ実行計画 残業上限や同一賃金
政府は28日に働き方改革実現会議を首相官邸で開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画をまとめた。正社員による長時間労働など戦後雇用慣行の見直しに踏み込んだもようだ。政府は今年の国会に関連法の改正案を提出し、2019年度からの実現を目指す。ただ、生産性向上や成長底上げには力不足の面もあり、なお課題を残す状況だ。

政府が会社の背中を押して「働き方」を変えようとしている。電通の事件で長時間労働の問題がメディアを騒がせたが、こうした問題は日本の労働市場において根強く残る、古くて新しい問題だ。根幹にあるのは「終身雇用」という日本特有の制度の存在がある。戦後の復興期から高度成長期を通して、国と企業が一丸となって日本の成長を支えてきたなかで、従業員も身を粉にして働いてきた。経済が拡大していくなかで企業もその働きに対して報酬として報いてきた。会社に貢献していれば死ぬまで生活が保障される安心感がこの終身雇用制度によってもたらされてきたのだ。今はどうか。大企業も潰れる可能性があり、東芝のように潰れてはいないが大規模なリストラを行っている会社ではいつ首を切られるかも分からない。会社に人生を捧げる意味は薄れつつある。
残業時間に上限を設けたり、待遇面での改善を求める今回の政府の動きは歓迎できるものだ。しかし、問題は実効性があるかどうかだ。制度で残業時間を縛っても、業務の量が変わらなければ従業員の負担は増すだけだ。タイムカードのうえでは勤務時間が減っても、サービス残業や休日出勤が増えれば意味がない。計画ではなく、政府の今後の行動に注目したい。

 

(市川 淳)

終身雇用制度・・・日本の雇用制度の特徴の1つ。 企業が正社員として採用した新卒者を定年まで雇い続ける制度のこと。企業は労働者が働きやすい環境を整え、たとえ経営が苦しくなっても労働者を解雇できない。