2017年3月16日

3月16日 様子を見続けるFRB

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米FRB追加利上げ、景気先行きに自信 引き締め加速は示唆せず
米連邦準備理事会(FRB)は15日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ0.75─1%とすることを決定した。安定的な経済成長や力強い雇用の伸びに加え、インフレが目標に回帰するとの自信を踏まえ、過去3カ月で2度目の利上げに踏み切ったことになる。イエレンFRB議長は会見で「米経済は過去数カ月、まさに想定通りの進展を遂げた」と指摘している。「経済が現在乗っている軌道に一定の自信がある」とし、景気先行きへの確信を深めている様子を見せた。

世界の金融関係の市場関係者が注目するFOMCの決定事項だが、今回の金利引き上げは既定路線だった。為替、債券市場においても今回の利上げは織り込み済みで、利上げ決定後は米国の金利が上がったにも関わらずドルを売って円を買うというセオリーとは逆の動きが出た。サプライズなく無事通過したことによる利益確定の動きも多いだろうが、どちらかというと失望感から売られた動きではないだろうか。今回の決定事項は年内にあと2回の利上げ、来年3回の利上げをするという予定通りのもので、特に期待を越えるものではなかった。更なるドル高を期待する投資家からすれば利上げのペースが「緩慢」と映ったと思われる。以下、声明文の内容だが「雇用の伸びは引き続き堅調」「失業率はここ数カ月間、あまり変化がない」「家計支出は緩やかに増加し続け、企業の設備投資はいくらか安定したようにみえる」という文言は最近の発言のなかではいささか勢いを欠いた発言に聞こえる。そこから感じることは、米国の経済の見通しにFRBが確たる自信を持っていないということだ。原因は、トランプ大統領の政策がFRBも読めないからだろう。とはいえ、金利は経済の強弱を左右する大きなファクターだ。今後もFRBの舵取りは苦難の多いものになるだろう。

(市川 淳)

フェデラルファンド金利・・・、米国の中央銀行である連邦準備銀行の統括機関である連邦準備精度理事会(FRB)が、短期金融市場を操作する目的で調整する政策金利のこと。金利の変更は連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される。米国の短期金利の代表的指標で、FRS(連邦準備制度)に加盟している民間銀行が、準備預金の過不足を調整するために、無担保で相互に貸し借りをする際に適用される金利。