2017年3月6日

3月6日 保八政策は過去のもの

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中国 全人代開幕

5日、中国の第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第5回会議が北京の人民大会堂で始まった。李克強首相は2017年の実質経済成長率の目標を16年(6.5~7%)から下げ、6.5%前後にすると発表した。目標下げは3年連続となる。無理な景気対策なしでも達成できる水準にすることで構造改革を進めやすくすると同時に、金融不安などで経済が失速するリスクも抑える狙い。

日本のメディアは中国の全人代のことを「日本の国会に相当」と表現することが多い。年間の国家予算を決定したり、政策の方向性が決定されることを指していると思われるが、実際には全く異なるものです。日本は敵失によって自民党が多数の議席を確保していますが、野党が存在します。これに対して中国の全人代は「共産党一党独裁」と言って間違いありません。議論を交わす場ではなく、トップダウンで物事が決まり、その決定事項を報告する場だと言えます。建前上は共産主義ですので、国のトップのことも総書記と呼びます。「人に上下はなく、あくまでも書記である」という考え方です。その中国ですが、貧富の格差を埋めるために経済成長は8%を維持しなくてはならないという「保八政策」というものがありました。今回の6.5%前後の成長目標は「保八政策」が過去のものになったと印象づけるには十分なインパクトがあると私は思います。実際にそうなるかは別として、政府が保八政策を諦めたというアナウンスにも取ることができるからです。果たして、中国の巻き返しはあるのでしょうか。

(ナカモト)

全人代・・・全国人民代表大会の略称。中華人民共和国の一院制議会。憲法上、国家の最高権力機関および立法機関として位置づけられている。