2017年2月21日

2月21日 広がる外国人労働力

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海外人材をサービス業へ 通訳・調理師… 特区で要件緩和 訪日増・人手不足に対応
内閣府は訪日客の急増に対応するため、通訳や調理師らサービス業に携わる外国人が国家戦略特区で働きやすいようにする方針だ。特区ごとに対象とする職種を絞り込み、仕事に就くのに必要な在留資格を得るための実務経験や学歴などの条件を緩めるもよう。地域のニーズに応じた外国人の就労を促し、訪日客の受け入れ態勢の充実につなげる狙いがある。

海外から人を呼び込み、労働力として活躍してもらう。日本のこうした動きは、メキシコとの国境に壁を作るというトランプ政権下のアメリカや移民受け入れを拒否してEUからの離脱を決定したイギリス等、世界の潮流とはまるで違うと言える。その背景には少子高齢化が急速に進む日本特有の事情がある。若い働き手が減るなかで、東京に関していえば今後オリンピックを見据えた受け入れ体制を整えるには海外から人を呼んで人員不足を補う必要がある。そこには政府のあと押しが必要だ。今回在留資格の取得要件を緩和し、日本で働く垣根を低くする政策が発表された。東京や大阪といった大都市を中心にまずは適用が始まり、全国に拡大する可能性もあるだろう。
個人的には、ただ日本人の不足を補うという役割だけではなくその出身国特有の技能や適正がありそれをどう活かしていくのかが今回の政策の肝のように思う。例えば、タイの人は手先が器用な方が多い。小学生に上がる前から手に職をつける意識が社会的に浸透しており、徒弟制度の文化も強いため若いうちに高度な技術を持つ人が多い。今回規制緩和の対象に含まれる調理師・貴金属加工といった職種はうってつけかもしれない。そうした海外の人の強みと日本人特有のセンスや奉仕精神が結びついた時、大きなイノベーションが可能になるかもしれない。日本の可能性を広げる好機となることを期待したい。

(市川 淳)

在留資格・・・日本に入国・在留する外国人に対し、その外国人が行う活動の内容などに応じて付与される一定の資格を指す。日本において外国人労働者の受け入れは「出入国管理及び難民認定法」(入管法)が定める在留資格によって規制され、単純労働を目的とする入国・在留は認められていない。在留資格には複数種類があるが、外国人が日本国内で働くためには、基本的に就労可能な在留資格が必要になる。