2017年2月7日

2月7日 豊かになったのか?日本人

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16年の実質賃金5年ぶり増 プラス0.7%、物価下落が影響
厚生労働省が6日発表した2016年の毎月勤労統計調査(速報値)によると、物価変動の影響を除いた16年通年の実質賃金は前年から0.7%増えたもようだ。5年ぶりのプラスとなった。名目賃金にあたる現金給与総額が0.5%増と3年連続で増え、原油安や円高で物価が下がった要因も寄与した結果だ。ただ12月は原油高などで実質賃金が前年同月より0.4%減っており、先行きは不透明といえる。

日本人の生活は豊かになっているのだろうか?今回発表された数字のうえでは昨年は0.7%実質賃金が上がっているという結果が出た。これは、日本人が0.7%分多く消費を行えることを意味する。実感としてはどうだろうか。勿論昇給した方や、転職した等事情は様々だろうが、実際物価が下がった実感も給料が上がった実感も少ない人がほとんどではないだろうか。原油安の影響で普段車を使う人はガソリンが安くなって得した人もいるだろう。円高が進行して円高還元セールで安くお買い物ができた人もいるだろう。しかし、どちらも全ての人に関係があることではなく、ましてや継続性のあるものではない。そして両者に共通しているのは日本国外からの影響を受けた結果ということであり、政府や企業が意図した結果ではないということだ。海外からの影響でいうと、むしろ昨年1月に起きた中国発の世界同時株安で財布の紐を引き締めた人の方が多いのではないか。実際株をやっていなかったとしても我々の年金原資は株安で大きく毀損した。そうした将来への不安から消費を控えた結果、物価が下落している、これが実際の姿なのではないかと思う。使えるお金が増えても、使いたくないという心理が支配しているうちは日本は明るくならない。今年も春闘が始まる。せめて従業員が納得する姿勢を経営陣が示すところから景気浮揚を目指して欲しいと思う。

(市川 淳)

実質賃金・・・ 労働者が労働に応じて取った賃金が、実際の社会においてどれだけの物品の購入に使えるかを示す値である。賃金から消費者物価指数を除することで求められる。このときの賃金、すなわち貨幣で受け取った賃金そのもののことを名目賃金という。労働者の給与が2割増加しても、同時に物価も2割上昇しているならば、労働者が購入できる物資の量は変わらず、実質賃金は不変となる。賃金が変化せずに経済状況などにより物価が上昇した場合や、賃金上昇率より物価上昇率が高い場合は実質賃金は下落する。