2017年2月2日

2月2日 買う人間売る機械

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バフェット氏、大統領選後に株1.3兆円買い越し
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは昨年11月の米大統領選以降、株式を約120億ドル(約1兆3600億円)買い越したとのことだ。具体的な銘柄への言及は避けたが、大統領選直後に米国株が急ピッチで上昇していくなかで株式を買い増してきたもよう。バフェット氏はトランプ政権が掲げる年率4%の経済成長目標については「相当に高い」と話し、達成に懐疑的な見方を示している。もっとも「2%の成長で奇跡が起こる」と発言があった。米国経済は底堅く推移し、2%の成長でも十分だとの見方だ。

世界的投資家で知られるウォーレン・バフェット氏がアメリカの未来に大きな投資をしている。バフェット氏の投資手法は大きく分けて二つ、「バイアンドホールド」と「理解できないものには投資しない」ということだ。まとめて考えると、彼のような大投資家がアメリカの未来を見つめた時に長期的な繁栄があり、それを彼がある程度確信しているということになるだろう。移民排除や為替を巡る各国との軋轢、テロのリスク等々、数え上げればきりがないほど混沌としたこの時代にこの投資判断は、まずはお見事、と言いたい。結果は未来にならないと分からないがその大胆な決断力にいちビジネスマンとして尊敬する。
一方で、バフェット氏とは異なった動きをする投資主体としてAIを用いた売買形態がある。「アルゴが動いた」なんて株式掲示板ではよく言われる言葉ではあるが、株価が上がった場合に売り、逆では買いを繰り返して短期の売買を重ねていく。トランプ大統領当選から急騰したアメリカの主要株はこうした取引の格好の売りのチャンスとなる。AIは遠い未来を見ない。短期で上がっていれば下がるだろうという判断を下す。そこには当然決断力は必要ない。機械的な処理があるだけだ。
どちらの判断が最終的に勝つか、それはまだ分からない。ただ、両者の間には決定的な差があると個人的に思う。それは投資判断に、多かれ少なかれ「希望」が混じるかどうかではないか。バフェットもアメリカ人だ。自国の明るい未来を見つめて、遠い将来に先の世代に幸多からん事を望まないはずはない。そう思う人が一人でも多くなれば、明るい未来は実現するかもしれない。

 

(市川 淳)

バイ・アンド・ホールド・・・取得した有価証券などを短期間では売却せずに、長期間保有し続け、短期の値動きではなく、長期的なリターンを狙う投資手法(長期での買い持ち戦略)のことをいう。これは、債券や株式などの購入した資産を長期間に渡って持ち続けることで、投資対象が本来持つ成長性を捉えたり、長期的な利益を獲得したりすることにより、投資成果を大きく上げることを目標としている 。