2017年1月26日

1月26日 メディアの公正

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20年度の黒字化困難に 基礎的財政収支、赤字拡大8.3兆円
内閣府は25日の経済財政諮問会議で、中長期の財政試算を発表した。黒字化をめざす2020年度の国と地方の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字を見込んだもようだ。16年度の税収が円高で落ち込んだことで想定が狂い、赤字は昨年7月の前回試算より2.8兆円膨らんだ結果となる。高い成長を想定し、19年10月の消費増税を織り込んでも財政健全化目標の実現は困難のようだ。赤字解消には社会保障の抜本改革も含めた追加策が必要となる。

国の財政が厳しく抜本的に収入と支出を見直さないといけない、それ自体は理解できるが情報発信のやり方にいささか違和感を覚える。表題の報道は日本経済新聞からのものであるが、どうも財政が厳しい時は大々的に報道し、収入が上振れた時は大きく取り上げない傾向がある。それは現政権への歩み寄り、擁護のスタンスが背景にあるだろう。そして明言はしていないが、社会保障費の抑制や消費増税といったかたちで将来的に国の負担を国民に負担に少しずつ変えるための布石を打とうとする意図が透けて見える。
余り報道されないが2017年度の予算編成では、円安進行で生まれた外為特別会計の剰余金を予算に組み込んで不足を補っている。それも通常であれば剰余金のうち30%は残して余裕を確保するのが慣例だが、今回は全額を繰入れたという。これだけで約9,000億円の予算が追加された。原則は曲げたものの、政府は奥の手をいくらでも出してくる。財務省保有の外貨は約140兆円ある。この半年で約10円円安が進行していることを考えると足元でも多額の剰余金が発生していることは想像できる。その全てが剰余金としてすぐさま使えるわけではないにせよ、こうした良い現実は伝えず言い訳のように「少子高齢化」や「円高による法人税減」ばかりを取り上げるのはフェアでない。日経新聞含め、日本のメディアにはアメリカのように大統領に名指しで「不誠実」と言われるようなメディアにはなって欲しくないと思う。

(市川 淳)

基礎的財政収支・・・基礎的財政収支(プライマリー・バランス)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出との収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけまかなえているかを示す指標 。