2017年1月19日

1月19日 崩れる東芝

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東芝、解体的出直しへ 原発再建の道険しく 半導体分社で資金確保
米国事業での巨額損失額が見えてきた東芝はメモリーを含む半導体事業の分社に加え、原子力事業の見直しも不可欠となっている。2015年に発覚した会計不祥事後、大規模リストラを経ていったんは再生の道を歩み始めたが前途は暗い。巨額損失により半導体と原子力中心のエネルギーの両事業を再生の柱としたシナリオは崩れ、再び解体的な出直しを迫られるもようだ。

5,000億円という巨額の特別損失が見込まれる原発事業を抱え、稼ぎ頭の半導体部門は本社から切り離す決定をした東芝。もはやかつての大企業の威厳は崩れ、存在感を消しつつある。
筆者が子供の頃はエアコン、冷蔵庫といった白物家電といえば「東芝」というイメージがあった。CMによるイメージ戦略が当時成功していたのが大きな要因かと思う。例えば、サザエさんのスポンサーとしては昔独占的に権利を持っていたため流れるCMは東芝のものがほとんどだった。そのせいか、子供時代にテレビで見た東芝の商品が記憶に強く残っているのだと思う。日本国民の消費生活を支え、利便性を高めてきた東芝の困窮に、個人的に心を痛めている。今回の原発事業の失敗は取り返しのつかない事態だと思う。しかし依然エレベーターや上下水道といったインフラに関するシェアの高い東芝は、経営が上手くいかないから即倒産とはいかない。公的な資金を投入してでも支えなければいけないのも事実だ。その点、経営破綻から会社更生法の適用を受けて再建に向かうJALに似ている。しかし、JALがその後、海外の格安航空会社の日本市場への参入で業績が伸び悩んでいるように、東芝のライバルはやはり今後海外企業となってくるだろう。日本のインフラは日本企業に任せる、という発想は今後変わっていくと思う。中国主導で進めるAIIBの事業をはじめ、アジアの開発が進むなかでアジアの企業が高い開発経験を積んでくると日本企業の優位性が崩れる可能性があるからだ。今後、新戦略に打って逆転をはかれるか、経営陣の手腕に期待したい。

(市川 淳)

AIIB・・・アジアインフラ投資銀行。アジア向けの国際開発金融機関。中華人民共和国が提唱し主導する形で発足した。日米が主導するアジア開発銀行(ADB)では、賄いきれない増大するアジアにおけるインフラ整備のための資金ニーズに、代替・補完的に応えるということを目的とする。