2017年1月12日

1月12日 米国を背負った8年間

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オバマ大統領最後の演説 8年振り返り「Yes, we did」
オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)に地元イリノイ州シカゴで最後の演説に臨んだ。演説は一時間近くにわたり2期8年間の任期を振り返ってキューバとの国交回復やイラン核合意での歴史的な成果を訴えた。米国が重視してきた「多様性」と「民主主義」という2つの理念と価値観が、トランプ次期大統領の登場で揺らいでいることへの危機感もうかがえた演説だった。

大国米国を8年間率いたバラク・オバマ大統領に、まずは感謝と慰労の念を覚える。三億二千万人の国民と、世界第一位のGDPを誇る経済を背負う重責は想像を絶する苦労があったことと思う。テロや戦争の危機が頻発する世界のなかで、核兵器を使用する権限を有するアメリカ大統領には一挙手一投足について世界が注目している。8年間を振り返れば様々な功績もあり、遺憾に堪えない出来事ややり残した事もあっただろう。全体を通して、個人的に筆者は好きな大統領だった。初の黒人大統領として、人種のサラダボウルと呼ばれる多民族国家アメリカで自身の存在がダイバーシティ(多様性)を容認するような、国民に向き合った大統領だったと感じている。「Yes,you can」「Change」と端的で全ての国民が分かりやすく、心に響くキャッチフレーズも世界に浸透し、人々を勇気づけたと思う。今回の演説の中で「Yes, you, we can」(あなたも、私もできるんだ」「Yes, we did」(我々は成し遂げた)と力強く語る姿は最後のメッセージとして私の心に響いた。
バトンはドナルド・トランプ氏に渡された。「No, you can’t!」と候補者をこきおろして当選した感のある新大統領だ。米国に革新を起こせるか、国民の反感を生むか、大胆かつ思慮ある行動を期待したい。

(市川 淳)

オバマ大統領の主要な功績
1. 医療保険制度改革(オバマケア)導入
2.アメリカとキューバとの国交を正常化
3.リーマンショック以降の経済を再建
4.米大統領として初の広島訪問を実現