2017年1月5日

1月5日 2017 年株式市場の幕開け

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景気拡大期待、市場を覆う 大発会4年ぶり上昇
2017年最初の取引となった4日の東京市場では、世界景気が拡大するとの期待から株式市場への資金流入が鮮明となった。日経平均株価は大発会として4年ぶりに上昇し昨年来高値を更新した。米ダウ工業株30種平均は史上初の2万ドルに迫っている。トランプ次期米大統領の経済政策への期待に米国や中国の経済指標の改善が重なって、投資家が株など値動きの大きい資産に資金を投じるリスクオンの姿勢を強めているもようだ。

2017年、最初の株式市場は順調な滑り出しとなった。年末大納会の株式市場を見ていた限りは勢いの無さが目立っていた。昨年中国の景気減速に端を発した世界同時株安の影響で年初から大きく株価を下げた経験から投資家が尻込みしているのだと個人的には感じていた。今回の株高は年末年始を挟んで米国、中国の景気の底堅さが確認された結果といえるだろう。
しかし、足元では世界の株式市場を取り巻く環境は盤石とは言い難い。特に日本の株式市場の好調さはドル高の影響を受けた円安の追い風が大きな要因といえる。ひと度ドル高の基調が一服すればその効果は剥がれ落ち、急速に上げた反動で急激な株安局面が近々訪れるかもしれない。
財政投資拡大期待の高まる米国景気も決して安定しているとは言い難い。トランプ次期大統領は自国経済中心の保護貿易を政策として打ち出しているが、貿易額の縮小から貿易収支の赤字が極端に進む可能性が高い。その結果自国通貨安を招く恐れもある。また、保護貿易の推進で外に求められない需要を、国内のみでまかない切れるのか。甚だ疑問だ。自国産業を守り、米国国民の雇用を守り、国内景気を拡大する。それ自体は立派な主張に聞こえる。しかし、もし需要が高まらず景気が減速するようなことがあればその時米国企業の悲鳴が大統領に届くのだろうか。もし、法人税の減税といった制度上の対応のみで乗り切ろうとするならば、更なる景気悪化を招く可能性もある。
2016年、海外の動向に左右された日本経済だった。今年もその状況は続くだろう。米国含め各国の動向に注意したい。

(市川 淳)

保護貿易・・・国内産業の保護・育成等を目的に、政府が関税その他の障壁を設けて貿易を制限すること。対義語は自由貿易。保護貿易を認め、実現しようとする思想や政策のことを保護貿易主義とか保護貿易政策という。