2016年12月21日

12月21日 個人の未来を築く制度

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DC専用投信、リターンは平均年3%超      
来年1月から加入対象者が大幅に広がる個人型確定拠出年金(DC、愛称iDeCo=イデコ)。DCでは毎月一定額の拠出金(掛け金)を投資に回すので、投資スタイルの基本形は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、投信を少額でコツコツ買っていく積立投資となる。主な投資先を国内株式、海外債券など投資対象と地域に分けて、残高の大きな専用投信をピックアップして調査したところ、10年間の積み立てリターンの平均は年率3.2%という結果となった。

「貯蓄から投資へ」安倍政権のスローガンとして長年叫ばれてきた施策の一つだ。その方策の一つとして改革が進み、注目されているのが個人型確定拠出年金という制度だ。来年から加入できる対象が大幅に広がり、個人が将来に向けた生活設計の手段として活用されるようになることが期待されている。
掛け金が所得控除の対象となったり、運用益については非課税となるため利用者にとって税金面での利点が大きい。また、支給開始は60歳以降となるため毎月コツコツ積立てて、自分のできる範囲内で老後資金をつくるには適しているといえるだろう。運用対象として定期預金や債券、株式、投資信託、保険等加入者が選択し、構成の変更は3ヶ月に一度可能だ。今まで投資に縁のなかった人も興味を持つ良いきっかけとなるかもしれない。
裏を返せば、GPIFが運用する公的年金の未来は期待しないでくれ、という政府のメッセージにも聞こえる。自分の老後は自分で守る時代になったといえば聞こえはいいが、今まで国民が払い込んだ保険料の運用について責任をもった対応をして欲しいと思う。GPIFが株式での運用で数兆損失を出しても政府は責任は持たないが、確定拠出年金では個人は責任を持て、というのでは虫が良すぎる話だと個人的に思う。

(市川 淳)

GPIF・・・厚生労働省所管の独立行政法人である。日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている(共済年金は対象外)。平成28年度第2四半期末現在の運用資産は132兆751億円である。運用資産はアメリカ合衆国の社会保障年金信託基金に次ぐ世界第2位を誇る。