2016年12月20日

12月20日 トルコのロシア大使襲撃の闇

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駐トルコ ロシア大使 銃撃で死亡

19日、トルコの首都アンカラの文化センターでロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が男に銃撃され、病院に搬送されたが死亡が確認された。トルコのエルドアン大統領は暗殺を「2国間関係正常化への挑発」と非難。ロシアのプーチン大統領は「シリアにおける和平プロセスの妨害」を狙ったとの見方を示した。

ロシア大使がトルコの警官によって銃撃されました。犯人はシリアのアサド政権に対して反発したと見られています。ロシア政府がアサド政権を支援していることが背景にありますが、そもそも元をたどると中東情勢が悪化したのはアメリカの対外政策の転換がきっかけだと言えます。あとちょうど1カ月で2期目を満了するオバマ大統領は、就任当時は「チェンジ」をキーワードに活躍が期待されましたが、いまでは「悪い方にチェンジしてしまった」というのが世間の評価です。特に就任2年目で「もはやアメリカは世界の警察ではない」と演説し、軍事費を縮小し続けたことも偉大なアメリカを失った原因の一つとされています。人殺しの道具である兵器を減らすこと自体は素晴らしいことなのですが、アメリカが大人しくなった結果としては中東情勢が乱れ、中国は南シナ海や東シナ海で好き放題。ロシアは弱腰のアメリカを横目にウクライナのクリミア半島を侵攻し、シリアの対応でもたついたアメリカをさしおいてアサド政権を支援しました。昨日はドイツでもトラックがクリスマスの市に突っ込む事件が起きており、テロの可能性が持ち上がっています。トランプ新大統領がもたらすものは更なる混沌か新たなパワーバランスか。2017年は世界にとって激動の一年になる可能性があります。

(ナカモト)

シリア内戦・・・「アラブの春」と呼ばれる中東各国での民主化の動きを受け、シリアでも2011年3月以降にデモが激化。同年夏ごろには政権軍を離反した兵士らが「自由シリア軍」を結成し、武力弾圧を続けるアサド政権との内戦となった。内戦による死者は11万人にのぼる。今年8月には、アサド政権側による化学兵器使用で多くの市民が殺害された疑惑が浮上した。