2016年12月8日

12月8日 情報の重さ

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まとめサイト、記事削除広がる リクルートなど
特定のテーマの情報をサイト上にまとめる「キュレーションサイト」で、記事を削除する動きが相次いでいるもようだ。すでに問題となったディー・エヌ・エー(DeNA)だけでなく、リクルートホールディングスやサイバーエージェント、ヤフーも誤りや著作権侵害の疑いがある記事の公開を中止した様子。質よりも量を優先し、品質管理が不十分な記事が広がっていたことが明らかになってきた状況だ。

「キュレーション」という言葉が社会に浸透しはじめたのはここ数年のことだ。「キュレーター」と呼ばれる人間がインターネット上の情報を取捨選択し、価値のある情報に集約、統合、昇華して提供していく。NAVER Japanが提供する「NAVERまとめ」などが身近な例として挙げられる。良い面をいえば、こうした媒体を通じて本来注目度の低いような情報が発信され、新たな需要を生む可能性がある。地方の眼鏡店の技術がネットユーザーの反響を受け、オーダー品の注文が急増した例もある。悪い点は、情報に対して受け身になることだ。そもそもこうしたサービスが流行したことの背景にあるのはインターネットを通じてあらゆる情報が簡単に手に入るようになったことがある。結果情報の氾濫が起き、情報の受け手は何が大切で、何が必要で、何が真実なのか分からなくなった。そこで情報の選択を他人に任せ、自身が主体的に情報に向き合うことを諦めてしまったのではないかと思う。本来、情報収集には目的がありそれを達成するためのツールだったはずだ。それが世の中の流れを「知っている」という安心感を得るためだけに受け身な態度を選んでしまった。溢れる情報に対して考えることを諦めてしまったのだと思う。その情報が発信側の恣意的なもので、時には事実と違うとなると大変な問題だと思う。極端にいえば洗脳のように国民の意識を誘導することも可能となるだろう。SNS上でテロリストを募集する時代だ。情報の選択は自分自身で責任を持つ態度が今後増々重要となるだろう。

(市川 淳)

キュレーション・・・情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味する。もともとは美術館や博物館で企画展を組む専門職のキュレーターに由来する言葉。キュレーターが膨大な作品を取捨選択して展示を構成するように、インターネット上にあふれる情報やコンテンツを独自の価値基準で編集して紹介するサービスもキュレーションと呼ばれ、IT用語として広く使われている。