2016年12月2日

12月2日 OPEC 8年ぶりの減産合意のワケ

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OPEC減産合意 シェールの影響は

石油輸出国機構(OPEC)による8年ぶりの減産合意は、原油価格の安定という共通の利益を優先した結果によるものだ。ロシアなど非加盟国にも協力を呼びかけ、減産協調の枠組みを確実にする構えだが、その枠外にある米国ではトランプ次期大統領がシェールオイルの増産に意欲を示している。米国の動向次第では、価格の安定に向けたOPECの戦略に影を落としかねない。

石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産合意に至りました。8年前と言えば、リーマンショックが起こり世界中で景気が後退した年。そこから、原油価格が下がった局面を迎えても一貫して減産を行っていなかったのには理由があります。2000年代、主に中国の旺盛な需要に応えて中東を中心とした産油国は原油を増産しまくり、シェアを争ってきました。リーマンショック後も、最大のお得意先である中国の勢いは衰えなかっただけでなく、金融緩和で溢れたマネーの行先として原油にお金が集まり、原油価格は上昇し続けたのです。ところが、アメリカでシェールオイルの採掘方法の革新があり、状況が一変します。最大の原油輸入国であったアメリカが、輸出できるほどの産油国へと変わったのです。供給が増えれば価格が下がるのは市場のルールですが、それでもOPECは供給を減らさず、アメリカとの我慢比べを始めました。狙いは採掘コストの高いシェールオイル業界を潰すためです。中国の成長にブレーキがかかったこともあり原油価格は下がり続け、シェールオイルの採算ラインを下回ったあたりでアメリカのシェール開発がストップする例が出始めました。そこまではOPECの狙い通りだったのですが、今度は自国の財政の首も絞めつけることになったので、いよいよ減産合意に至ったというのが今回の流れです。トランプ氏の政策次第では、また原油相場に影響が出るので、この点でもトランプ氏の言動には注目したいですね。

(ナカモト)

石油輸出国機構・・・中東を中心とした産油国によって、1960年に設立。産油国側の利益を守る目的で、石油の生産量や価格の調整をするための役割を果たす。近年は、ロシアやメキシコの油田、北海油田といった非OPEC諸国の油田の生産量が増加している傾向もあり、その影響力は相対的に低下したといわれる。加盟国は、サウジアラビア、イラン、イラク、UAE、クウェート、カタール、アルジェリア、ナイジェリア、リビア、インドネシア、ベネズエラ。