2016年11月30日

11月30日 混迷の収束へ

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朴大統領、任期待たず辞任 時期「国会に従う」 
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は29日、国民向け談話にて「与野党が議論して安定的に政権移譲する方策を作ってもらえれば、その日程と法手続きに従い大統領職から退く」と述べ、条件付きで2018年2月の任期満了前の辞任を表明した。友人による国政介入疑惑の責任をとるかたちとなった。辞任時期は明示せず、野党は弾劾訴追の構えを崩していない様子。今後、政情混乱は長期化しそうだ。

相次ぐスキャンダル報道や大規模デモ等、長く続いてきた韓国の混乱も、朴大統領の今回の表明にて一旦の目処が見えてきた。しかし、事態が完全に終結するにはまだまだ時間がかかりそうだ。今後、国会や裁判所での採択が必要であり、また後任問題や外交上の引き継ぎなど、課題は山積みとなる。従軍慰安婦問題で一定の成果をあげつつあった日本との関係も一旦振り出しに戻る可能性も出てきた。安倍首相にとっても頭の痛い問題だろう。
Galaxy Note7の不具合から発火騒ぎを起こし、販売停止、生産中止に追い込まれたサムスン電子が韓国経済に暗い影を落としているなかで、今回の政情混乱はさらなる追い打ちをかける可能性がある。韓国の雇用を引っ張るサムスン電子が人員削減に動いた結果、国内では失業者が溢れている。今の韓国政府に彼らを助ける余力はないだろう。日本にとっても他人事ではない。韓国の弱体化は北朝鮮を牽制する力を削ぎ、日本の安全を脅かす可能性がある。そんななか、頼りの米国は内向きの政策に傾りつつある。今後、日本の地政学的リスクが高まる恐れは拭いきれない。この状況を良い方向に変えるためにも、韓国政府には一刻も早く新体制を確立するよう動いて欲しいと思う。

(市川 淳)

地政学的リスク・・・一般的にはテロや戦争、さらには財政破綻などから生じるリスクを意味するが、とりわけ投資家の立場からみた不確実性を指す。この言葉は、2003年2月、04年4月のG7声明でも言及されていたが、02年9月に米連邦準備制度理事会が使用したことから始まるといわれる。01年の同時多発テロが発生した直後にニューヨークの株価が急落し、世界経済の停滞を招いたことが背景になった。