2016年11月28日

11月28日 冷戦構造のど真ん中にいたカストロ議長

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トランプ氏 カストロ前議長を「野蛮な独裁者」

26日、トランプ次期米大統領は声明を出し、25日に死去したキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長について「60年近く国民を虐げた野蛮な独裁者」と非難の弁を述べた。オバマ大統領は昨年、54年ぶりにキューバとの国交を回復したが、トランプ氏は選挙戦で国交正常化交渉を批判してきた立場。ただトランプ氏が就任後、対キューバ政策を全面的に覆すかどうかは不透明なままだ。

カストロ議長と言えば、チェ・ゲバラと共同してアメリカ合衆国寄りだったバティスタ政権を打倒し、キューバ革命を成功させた人物です。社会主義国家として国の体制を改め当時のソ連に歩み寄り、核戦争勃発ギリギリだったキューバ危機が起こったことは現代史の中でも大きな出来事でしょう。キューバ危機から53年が過ぎた昨年、オバマ大統領が電撃的にキューバとの国交を回復させましたが、その裏にはのっぴきならないキューバの事情がありました。カストロ議長は冷遇を受けたアメリカに対して距離をおき、ソ連と近付くことを決めた訳ですが、中南米には「支配的なアメリカ」に対する不満を持つ国家も少なからず存在しています。ベネズエラがその代表例ですが、反米国家の象徴であるキューバに対してベネズエラは支援を行ってきました。ところが、昨年から始まった急激な原油安により、産油国であるベネズエラの財政も疲弊、ベネズエラからの支援が受けられず困窮していたキューバにオバマ大統領がすり寄ったのです。カストロ議長がこの国交回復を喜んだのかは不明ですが、アメリカの目と鼻の先にありながら、ソ連とつながっているという冷戦構造のど真ん中にいたキューバの宰相です。複雑な思いだったのではないでしょうか。トランプ氏は内向きの政策を取ると予想されていますが、せっかくオバマ大統領が残した政治的遺産ですので、うまく引き継いで欲しいと個人的に思います。

(ナカモト)

フィデル・カストロ・・・フィデル・アレハンドロ・カストロ・ルス(Fidel Alejandro Castro Ruz), 1926年8月13日 – 2016年11月25日)は、キューバの政治家、革命家、軍人、弁護士。社会主義者で、1959年のキューバ革命でアメリカ合衆国の事実上の傀儡政権であったフルヘンシオ・バティスタ政権を武力で倒し、キューバを社会主義国家に変えた。革命によって同国の最高指導者となり、首相に就任。1965年から2011年までキューバ共産党中央委員会第一書記(英語版)を、1976年より2008年まで国家評議会議長(国家元首)兼閣僚評議会議長(首相)を務めた。