2016年10月14日

10月14日 タイの父 

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タイのプミポン国王が死去 在位70年 
タイの王室事務局は13日夜、国民向けに緊急声明を発表し、かねて病気療養中だったプミポン・アドゥンヤデート国王(ラマ9世)が死去したと伝えた。享年88歳だった。在位70年4カ月は世界の現役の国家元首では最長だった。

私自身7年前に2年間タイに住んで働いていた経験から今回のことについて、恐れていたことが現実のものとなった、という感想を持った。数年前からタイ・プミポン国王は体調を崩されていて、今回崩御される結果となった。「崩御」と日本風に言ってみたが、日本でいえばやはり天皇にあたる方であり、国の象徴たる存在であるためこういう言い方をしてみた。そして、タイ国民の絶大な人気を有するこの国家の代表を失うことは今後のタイの社会・経済・生活に暗い影を落とすことが予想される。政治的対立が起きた時は鎮め、アメリカ生まれの経済センスを活かして国内の近代化・国際化を推進し、在位中に国民の生活は格段に向上した。
国内の公園、公共施設、店舗の額縁、友人宅の鏡の横、タクシーのバックミラーと生活の場面の様々なところにプミポン国王のポスターやブロマイドが飾られていた。国の代表者としての役割以上に、プミポン国王は国民の精神的支えであり、国民全員の父であった。あくまで私の友人間での話だが、後継者のワチラロンコン皇太子も御体調を崩されていると聞いている。64歳という御年令も考えるとかつてのプミポン国王のような執政は厳しいかもしれない。そうなると実質的な権限が集中する軍部の動向に今後注意が必要だろう。大規模なクーデターの再来は望ましくない。
最後に、かつてお世話になったタイ・プミポン国王の御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。

(市川 淳)

プミポン国王(ラマ9世)の功績(一部抜粋)・・・ 「王室プロジェクト」と呼ばれる農業を始めとする地方経済の活性化プログラムを自ら指導する他、自ら土地改革運動のために王室の所有地を提供したり、農村開発や旱魃対策の人工雨等の各種王室プロジェクトを推進している。また、王妃と共に地方視察も非常に精力的に行い、泥濘や雨天の中でも人々の輪の中に積極的に入っていくなど国民に近い立場を取り続けることから、確実にタイ国民の尊敬と信頼を勝ち得た。実際に、毎年誕生日前になると全国各地に肖像画が飾られ、国王の色とされる黄色いシャツを着用した市民で埋め尽くされるほどである。