2016年10月13日

10月13日 売れぬモノ 

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小売大手15%減益 3~8月 強まる節約志向「店舗」苦戦 
上場する小売企業の2016年3~8月決算が12日に概ね出そろった。日本経済新聞社が主要72社を集計したところ、全体の純利益は前年同期比で15%減少したことが明らかとなった。節約志向が再び強まるなか、百貨店や総合スーパーの業績が総じて悪化している現状だ。旅行やスポーツ観戦など「体験型消費」へのシフトやネット通販の台頭といった構造要因も重なって、店舗を構えてモノを売る従来型の小売企業は苦戦を強いられている。

路面店や百貨店、総合スーパーの販売が振るわない。円高が進むなかでの訪日客の爆買いの勢いの鈍化、台風による天候不順による外出控え、アマゾンに代表されるネット通販の浸透等、理由を挙げれば多岐に渡る。しかし根本的な原因は消費者が「モノ」を求めていないことにある。戦後の高度経済成長期を経てバブルを経験し、その後20年を超える長期の物価低迷期を迎える日本では、人のお金が消費に向かいにくい状況にある。モノが国民の間に行き渡った結果もあるが、将来的な日本経済の見通しが悪い事が根深い原因となっている。例えば、今では相続を受ける人間の年齢が67歳と言われる超高齢化社会を迎え、今後何年生きるか分からない高齢者の方が積極的に消費にお金を回さなくなってきている。年金も当てにならず、自分達の子供の数も少なく金銭的に頼りにできる状況にない。今、洋服を買ったり外食をしたりといった贅沢をするよりも、いずれ入る介護施設の質を上げようとする消費マインドになりがちだ。
未来は明るい、そんな心理に消費者を導くのは店頭の販売員ではない。国の運営の舵取りを任された政治家の役目ではないか。今開催中の予算委員会で年金抑制に動こうとする政府与党。小売の現場から出てきた数字を、軽視せず対応して欲しいと思う。

(市川 淳)