2016年9月30日

9月30日 背に腹は変えられないサウジアラビア

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土壇場でのOPEC減産合意

28日、石油輸出国機構(OPEC)はアルジェリアの首都アルジェで臨時総会を開き、8年ぶりに原油の減産を決定した。困難とみられていた合意が一転成立した決め手になったのは、サウジアラビアの方針変換だ。対立するイランへの態度を軟化させ、減産の「例外」とすることを承認した。これ以上の消耗戦は国力を疲弊させるだけだという焦りが、財政難にあえぐ中東の大国を動かす決定打になった。

大方の市場の予想に反し、サウジアラビアがイランの増産を認めました。ここから読み取れるのは、サウジアラビアの国内財政が窮地に立たされていることです。
新興国の経済成長が著しく原油の需要が高まっていた2000年代中盤に、サブプライムローン問題の顕在化によって債券市場や株式から原油市場にお金が流れ込んだ結果、原油価格は147ドル/1バレルにまで高騰しました。この時期にサウジアラビアを始めとした産油国は富を蓄えていたのですが、リーマンショックや中国の景気減速、更には最大の石油消費国であったアメリカで起きたシェールオイル革命により原油価格は急激に下落してしまいます。特に今年入ってからは最安値で26ドル/1バレルを記録するなど、産油国にとっては採算ラインを大幅に下回る水準の価格推移となり、財政状況を逼迫する事態に陥りました。OPECが頑なに減産に応じなかった背景には、原油価格を下げる事によって比較的高いコストを要するアメリカのシェールオイル開発の足を引っ張る狙いがありました。実際、採算ラインを割ったシェールオイル開発企業は倒産や開発中止が相次いでおりましたが、いよいよ産油国にとっても辛抱できない状況になってきてしまっているのです。私個人としては石油資源は埋蔵量に限りがあるため、産油国では減産し、先進国では代替エネルギー開発を進めるのが理想だと思います。しかしながら、各国の都合によってなかなか教科書通りに物事が進まないのは、もどかしく感じます。

(ナカモト)

OPEC・・・石油輸出国機構(せきゆゆしゅつこくきこう、英: Organization of the Petroleum Exporting Countries)は、国際石油資本などから石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月14日に設立された組織である。設立当初は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5ヶ国を加盟国としていたものの、後に加盟国は増加し、2016年現在では14ヶ国が加盟している。世界最大のカルテルとされる。なお、オーストリアは加盟国ではないものの、石油輸出国機構の本部は首都ウィーンに設置されている。