2016年8月26日

8月26日 ロボが導く投資

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ロボット運用、日本で起動 世界最大手など20社が参入へ
コンピューターのプログラムが個人投資家に対して資産運用を助言する「ロボット・アドバイザー」が日本で普及期に入ろうとしている。世界最大の運用会社、米ブラックロックが近くサービスを始めるほか、大和証券や松井証券など証券会社も参入するもようだ。ベンチャー企業を合わせれば来春までに20社弱がサービスを提供することになっている。個人金融資産1700兆円を巡って、競争が激しくなりそうだ。

投資判断にロボットのアドバイスを活用する動きが個人投資家の間で広がっている。利用者が自身の年齢や投資経験を入力すれば最適な投資方法や金融商品を提供してくれる、「ロボット・アドバイザー」と呼ばれるサービスだ。このサービスの利用者の約半数が投資初心者だという。スマホなどの移動端末を通じて利用できる手軽さと、手数料の安さが受けているようだ。また、背景にあるのはリーマンショック以降の金融市場に関する先行きの見通しの悪さもあるだろう。経済がグローバル化し、他国で起こった事が日本の金融市場を揺らす幅が大きくなっている。突発的なテロの恐怖もある。投資家としては何か機械的に判断材料を与えてくれる投資の軸を欲しているのではないか。主観や勘といった経験値を積み重ねた結果出す判断とは違い、論理的に導いた結論はミスが比較的少なく、方針がぶれることもないだろう。しかし個人的に思うのは、プログラムが統計や指標を基にして投資判断を導く場合、結論が一方的な方向に振れやすく、極端な方向に偏りがちな面が弱点として感じられる。例えば、テロが発生して世界中に不安が広がれば金投資が有利というのはセオリーだ。プログラムは金投資を推奨してくるだろう。しかし、仮にドル建てで金を買っていた場合、円高が進んで結果損をする可能性もある。経済が複雑化するなか、事実の一面だけではなく、有機的に、総合的に判断する必要があるだろう。その点、現状ではまだ人間に分があるかもしれない。

(市川 淳)