2016年6月30日

6月30日 国勢調査に現れる日本の姿

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女性・シニア、働く人の5割 15年国勢調査 人手不足補う
総務省が29日に公表した2015年国勢調査の抽出速報集計で、就業者全体に占める女性と65歳以上の高齢者の割合が初めて5割を超えたことが分かった。少子高齢化のあおりで労働力人口は6075万人と前回の10年調査と比べ295万人減少し、6千万人割れが目前に迫る。増加する介護・福祉分野などの人手不足を補うため女性とシニア層が働き手として存在感を高めている。

今回の国勢調査では、少子高齢化、労働力人口の減少、一人世帯の増加、医療・介護職の需要の高まりなど、現在日本が抱える問題が数字で浮き彫りになった。国勢調査は全人口の1%を対象にして調査を行うため、実勢を確実に映すものではないが事実に近い状況を表わしているだろう。特に女性の社会進出が進み、半分の女性は仕事に就いているとの結果が出た。私が以前いたファッション業界では社員の9割は女性だった。管理職になる女性も当然多く、結婚よりも仕事、という方も多かった。一方で、結婚して育児休暇をとり、復帰する方も非常に多く、他社よりもその点は優遇されているようだった。業務を円滑に引き継ぎ、復帰後も役職や仕事内容を本人の希望で柔軟に対応できる制度があった。こうした会社側のバックアップが、今後の日本の人口の構造を左右するかもしれない。とはいえ、かつてのように女性は家にいて家庭を守る、という発想が薄くなっているのは事実だ。結果、未婚や晩婚、離婚が増えることになる。そうすると出生率が下がり、少子化が進む。他方、医療技術の発達で平均寿命が延び、高齢化が進む。今回出た数字は2015年での状況を表わしているが、今後もこの傾向は続いていくだろう。かつては退職金や年金で老後を過ごす、というのが現役引退後の一般的な生活だったが、近い将来そうもいかなくなる可能性が高い。老後も働き続けるか、働いているうちに蓄えや資産を築いておくか、自身の努力や頑張りで老後に備える必要があるだろう。どちらにせよ、何かを頼りにするのではなく将来を見据えて今、動かないと悲惨な未来は現実のものになるかもしれない。

(市川 淳)

労働力人口・・・労働力は、一国における働く意思と能力を持つ人々が供給できる労働サービスの総量を人数表示したもの。統計調査上の概念として、「労働力調査」(総務省統計局)では、15歳以上の人口のうち就業者(休業者も含む)と失業者の合計を指す。具体的には、労働力調査期間である毎月末の1週間に就業、休業あるいは求職中であった15歳以上の人口。15歳以上で働く意思や能力のない者、病弱者、学生、専業主婦などは非労働力人口とされる。