2016年6月15日

6月15日 ドイツ国債がマイナス金利になる理由

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ドイツ長期国債 初のマイナスに
14日の欧州債券市場で、ユーロ圏の長期金利の指標となるドイツの10年物国債利回りが一時マイナス0.032%程度にまで下がった(価格は上昇)。マイナス金利で取引が成立するのは今回が初めて。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策によりユーロ圏の国債を大量に購入していることに加え、英国の欧州連合(EU)離脱懸念で投資家が安全資産である国債に資金を移していることの影響。

今月は金融市場に影響のあるイベントが目白押しです。まずは日本時間の16日未明に結果が分かるアメリカFRBのFOMC、続いて日銀の金融政策決定会合は15、16日という日程です。そして23日にはイギリスでEUの離脱・残留を問う国民投票が実施されます。イギリスの世論調査会社ユーガブが行った調査で、離脱派が残留派を上回ったという報道が流れてから市場の不安が広がっています。リスク回避の動きでドイツ国債にマネーが流れた結果、マイナス金利状態になるほどに国債価格が上がりました。ここで不思議なのが、どうしてマイナス金利状態になると分かっている値段で債券取引が成立するのかということです。
日本の国債市場でも似た現象が起きていますが、マイナス金利状態でも国債を買う投資家は「更に高い値段(更に低い金利)で中央銀行に転売できるだろう」という思惑があります。またドイツの場合は更に特有の事情が存在します。現金のままドイツ銀行に預金していてドイツ銀行が潰れた場合、ペイオフによって預金が守られる金額には限度があります。ドイツ銀行はデリバティブ投資のレバレッジをかけ過ぎていて、市場の相場が急変したときに耐えられない可能性が一部で指摘されています。ペイオフで守られない預金よりも、マイナス金利という手数料を払ってでもAAAという格付けのドイツ国債を買うことでペイオフ対策になっているのです。

(ナカモト)

ドイツ銀行の抱えるリスク・・・ドイツ銀行は、3つの損失により業績が急速に悪化しているため、倒産が懸念されている。LIBOR不正の損害賠償支払い、不良債権増加による財務が悪化(引当金の積み増し)しているため、株価の暴落が止まらない。またドイツ銀行は、数千兆円のデリバティブ契約を抱えているため、損失拡大による倒産の可能性が指摘されている。