2016年6月14日

6月14日  世界を襲う株安の嵐

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世界株安、円高が進行 英離脱警戒、マネー委縮 テロ・政治リスク意識
世界中の投資家が守りの姿勢を強めている。英国が欧州連合(EU)を離脱しかねないとの警戒感が強まったうえ、米銃乱射事件に端を発してテロの懸念が高まり、中国の経済統計も低調だった。13日の日経平均株価は急落し、アジア株も全面安となっている。外国為替市場では英ポンドやユーロが売られ、円高が進行した。マネーは安全性が高いとされる日米国債などに逃避している状況だ。

週明け月曜日、様々な要因をはらんで世界中の株価が大きく下げた。イギリスFTSEはマイナス2.7%、ドイツDAXはマイナス5.3%、日経平均に至ってはマイナス7.1%と先進国のなかでも際立ってマイナスが広がった。東証一部の時価総額を見ただけでも一日で30兆以上のマネーが消えたことになる。今年年初に大きく下げた、チャイルショックの衝撃を思い起こさせる。当時は原油安に端を発した株安だった。今回はアメリカでのテロや、新興国の経済停滞、日本市場については急激な円高も株価を下げる要因となっているが、最も投資家が株式市場から資金を引き揚げている理由として今月23日に国民投票にて是非を問うイギリスのEU離脱問題だ。仮にイギリスがEUから離脱すればドイツは大口の取引先であるイギリスとの交易が減り、輸出が減少する。EU内の他国についても同様だ。例えばフランスは農産物をイギリスに多く輸出している。これまで域内で広がっていた「保護貿易」の甘えから、世界を舞台にしたフェアな勝負が始まるだろう。その未来を表わしているのが世界中の株価が下げるなか、+0.3%とプラス圏を守ったアメリカダウ平均だ。今後、EUから離れたイギリスは例えばドイツ、フランスと貿易をする際には関税がかかる。ならば、イギリスはアメリカとの交易を拡大するのではないかと投資家が考えている姿がこの数字に映し出されている。この結果を見て、イギリス国民がどう判断するか、残留にせよ、離脱にせよ、世界に与える影響は大きいだろう。

(市川 淳)

EU・・・European Union(ヨーロッパ連合)の略。経済・通貨統合の実現、共通の外交・安全保障政策の設定、国家主権の一部移譲などを中心とする、ヨーロッパの地域統合体。1991年のマーストリヒト条約で設立が合意され,93年発足した。