2016年6月9日

6月9日  変わる働き方

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トヨタ、総合職に在宅勤務 8月めど2.5万人対象
トヨタ自動車はほぼすべての総合職社員を対象とした在宅勤務制度を8月にも導入すると発表した。週1日、2時間だけ出社すれば、それ以外は自宅など社外で働ける制度だ。多様な働き方を認め、男性の育児や女性の活躍を後押しする狙いがある。親の介護による離職も防ぐことができる。約2万5000人もの多数の社員を対象に、勤務の大部分を自宅でできるようにするのは異例のことだ。時間や場所に縛られない新しい働き方として広がる可能性があるだろう。

日本の大手企業が新しい働き方を実現すべく動き出した。今回はトヨタが総合職で働く社員を対象に在宅勤務を拡充する。アベノミクスで打ち出された新三本の矢である、「介護離職ゼロ」につながる動きとなる。「イクメン」という言葉が定着して久しいが、男性も結婚して子育てに協力する人間が増えている。そんな時代にマッチした対応といえるだろう。職場に縛られた働き方、家庭をかえり見ない旧弊の考え方を変えようとする動きは社員にとって喜ばしいことだろう。問題は、この働き方がどこまで日本企業に浸透するかだ。家に持ち帰って仕事をする場合に、書類やデータを持ち帰る必要がある。セキュリティの問題や、書類紛失、漏えいのリスクは避けられない。銀行等、金融機関などは自宅へ書類を一切持ち帰ることができない。仮に個人情報が漏れた場合、企業の損害は甚大だ。また、特に日本の企業は顔を突き合わせてのコミュニケーションを重視する。現場の空気や様子を読みながら業務を円滑に進めることの大切さを無視はできないだろう。しかし、家族との時間を多く持てる働き方は魅力的で、時間のバランスを上手にとる個人の裁量が重要になるだろう。私のお客様で外資系IT企業の日本支社で役員をされている方がいる。彼は年の三分の一は海外出張で、日本で過ごす時間の半分は在宅勤務での働き方を選んでいる。アメリカ人の彼は、家族との時間をとても大切にしている。一方で、家に回線を引き、テレビ会議で極力社員とコミュニケーションをとり、頻繁に電話をかける。重要な会議は必ず出向いて出席するとのことだ。ただ自由に働くのではなく、自分の時間を調整し、優先順位を決定していく判断力が今後求められていくだろう。

(市川 淳)

総合職・・・総合職は、管理及び将来管理職となることを期待された幹部候補の正社員である。役務は非定型的であり、企業が享受する具体的な利益(主に金銭面)を考慮した上であらゆる役務に臨機応変に対応することが要求される。総合職に対して一般職と呼ばれる職掌がある。ここでいう一般職は、一般事務などの定型的・補助的な業務を担う正社員である。