2016年6月8日

6月8日 国内最大の銀行が日銀に突き付けた「NO!」

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三菱東京UFJ 国債入札の特別資格を返上へ
三菱東京UFJ銀行は国債の入札に特別な条件で参加できる資格を国に返す方向で調整を始めた。日銀のマイナス金利政策のもとで国債を持ち続ければ、損失が発生しかねないと判断した。国債の安定消化を支えてきたメガバンクの「国債離れ」は、市場から大量の国債を買い上げてお金の量を増やしてきた日銀の異次元緩和に影響がありそうだ。

ゆうちょ銀行を除けば日本最大の銀行が「もう国債は買いたくない!」とメッセージを発していると言えます。三菱UFJ銀行は国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)22社のうちの1社です。発行市場において、財務省と意見交換ができる権利を放棄する形ですが、発行予定額の4%以上の応札義務が嫌なのでしょう。現状、国債は10年物までもがマイナス金利状態であり、それを買わざるを得ない状況を回避するのは、利潤を追求する上で自然な流れです。
それよりも政府・日銀に対して大きな「NO!」を突き付けたことの意義が大きいと個人的に思います。政府・日銀が導入したマイナス金利は、銀行からすれば「金利を得る」という稼業そのものを否定していると言っても過言ではありません。貸したほうが手数料を払ってマイナスになるというのは本来、おかしな話なのです。アメリカFRBはマイナス金利導入の可能性を否定していますが、実に健全な考え方でしょう。懸念すべきは、国債の信用が下がり金利が急上昇する事態です。金利政策が個人の家計、資産に影響を及ぼす可能性は着実に上昇しています。何らかの資産防衛術の検討・実行が必要なのではないでしょうか。

(ナカモト)

国債市場特別参加者制度・・・財務省が、指定した銀行や証券会社のみと国債などの直接取引を行う制度。米国などのプライマリーディーラー制度を模して平成6年に導入。指定された金融機関は、国債の安定消化のため一定の引き受け義務を負う一方、国債市場特別参加者会合での情報取得や意見開示などができる。国内の都市銀行や証券会社のほか、外資系金融機関など計22社が指定されている(平成27年1月現在)。