2016年6月3日

6月3日 上場企業に強いられた大盤振る舞い

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上場企業 利益の過半を株主還元
上場企業は2015年度に稼いだ利益の過半を株主に還元することが分かった。配当と自社株買いの合計額は16兆円超と過去最高になる見通し。株主を重視する流れが一段と強まっている。企業には余剰マネーがなお積み上がっており、収益性を示す代表的な指標、自己資本利益率(ROE)はやや低下している。株主重視と収益性の両立が課題になっていく。

かつて日本企業は利益を内部留保に回し、不測の事態に備えることが主流でした。失われた20年と表される事もある経済停滞により、経営者の姿勢は守りに入ることが容認される世の中でした。企業の姿勢が大きく転換しつつあるのは、特にアベノミクスが始まって以降、株式市場の参加者が変わったことによる影響が大きいです。
1日に、「経済が不安を抱えている故の消費増税延期」という、アベノミクスは成功していないとも受け取れる安倍首相のアナウンスがありました。当初、アベノミクスがもたらしたものは、経済改革を期待する海外投資家のマネーによる株価の押し上げです。この海外投資家の存在感が増すに連れ、物言う株主などから株主還元を求められ続けた結果がタイトルにある大盤振る舞いです。ここで不安なのが、海外投資家の声に応えて株主還元を強化した結果、企業の体力が削がれてしまうことです。長期的な成長を狙うには設備投資などの企業強化にお金を使うのも重要な手です。短期的な動機で海外投資家に利益を吸われるだけ吸われ、不測の事態が起きると資金を引き揚げられてしまうことがないよう戦略を練ってもらいたいと個人的に考えます。

(ナカモト)

物言う株主・・・株主としての権利を行使し、経営全般にわたり株主利益に合致するよう運動する投資家。上場企業の一定の株式を買い集めて、積極的に経営に関わろうとすることから、アクティビストactivist(行動主義者)ともよばれる。