2016年5月30日

5月30日 燃料電池車普及への課題

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水素供給拠点 トヨタ・JXなど共同で新会社検討
トヨタ自動車やJXエネルギーなど自動車・エネルギー大手各社は、次世代エコカーの燃料電池車に燃料を供給する「水素ステーション」の全国展開に向け、共同で新会社をつくる検討を始めた。いまはエネルギー各社が個別に整備しており、設置件数は目標を大幅に下回っている。自動車メーカーも巻き込んで燃料供給網の構築を急ぎ、燃料電池車の普及を後押しする狙い。

「自動運転」が話題になることが多いですが、燃料電池車の開発・普及は今後の自動車業界の大きなテーマです。特に日本は石油の輸入依存度が高く、燃料電池車が普及することに対するニーズはあります。今回のニュースは、自動車そのものの開発ではなく、水素ステーションの供給についての連携。2016年4月末までに全国で78か所しかない現状を見るに、水素ステーションの数が目標よりも少なすぎる事に対して各社が腰を上げた格好です。
個人的な考えでは、水素がエネルギー源として日本で普及するには課題が山積みです。よく「石油等の精製段階で発生していて、捨てていたものを活用できる。そもそも水素は空気中にも存在するし、水との電気分解でいくらでも生産できる」という点がフィーチャーされ、水素の供給は無限であるかのように語られる事があります。しかし、石油精製の過程で発生する水素をあてにするのでは、石油依存から脱却するという論理が破綻しているようにも思えますし、水の電気分解で水素を作るのであれば、その電力は何で賄うのか?という新たな問いが生まれます。もちろん、私としても燃料電池車というクリーンな乗り物が普及する未来を望んでいますが、本当にクリーンな燃料電池車は風力・太陽光といった発電システムとの合わせ技が必須。その開発には政府による後押しが不可欠であり、政府には原発を動かすとかいう未来にシワ寄せを押し付ける方法以外のエネルギー政策の議論を進めてもらいたいものです。

(ナカモト)

燃料電池車・・・搭載した燃料電池で水素と酸素を化学反応させて発電し、その電力でモーターを回して走行する車。FCVと略される。走行中は二酸化炭素を始めとする環境に有害な排気ガスを出さず、水だけを排出することから、ハイブリッド車(HV)よりも進んだ「究極のエコカー」と称されている。2014年6月、トヨタ自動車が世界に先駆けて、同年度内に日本国内で一般向け販売を始めた。