2016年5月27日

5月27日 安倍首相は運が良い首相!?

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首相 「リーマンショック前に似る」 経済危機警戒 首脳間にズレも
安倍晋三首相は26日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済について「危機に陥るリスクがある」と発言した。政策対応を誤ればリーマン・ショック級の経済危機が発生しかねないとして各国に財政出動を促したが、認識は必ずしも一致しなかった模様。首相の強い訴えには、2017年4月に予定する消費増税を再延期する地ならしの思惑が透けて見える。

4つの経済指標を並べ、「リーマンショックが発生した前の状況に似ている」とした安倍首相の各首脳に対する訴え。この報道を聞いた直後は「なかば論理が強引過ぎやしないか」と違和感を覚えました。しかし、首相の狙いを想像すると、なかなか上手い手を打ったのではないかと評価しています。優秀なブレーンが揃っているのでしょう。
表向きの狙いは、これから起こる可能性がある経済危機を回避するためにG7主導で財政出動の足並みを揃えましょうというもの。首相が提示した商品市場の価格の推移などは、確かにリーマンショックと同じとも言える数値を示しており、一応のストーリーは成立しているように見えます。ただ、財政出動に温度差がある首脳陣を説得するには物足りません。特に財政の立て直しに成功し、新規国債に頼らなくなったドイツのメルケル首相は態度を変える事はなさそうです。安倍首相の発議はサプライズに近かったはずですが、前に日本で開催された洞爺湖サミットの後にリーマンショックが起きたことも引き合いに出すなど工夫もみられ、議長国としての立場を最大に活かした発議だったと個人的に感じました。
そして、どう考えても真の狙いは夏の参院選でしょう。「経済危機のおそれと熊本地震」という合わせ技で消費増税を先送りする下地が完璧に整い、選挙の争点を一つ消すことができます。野党からすると、武器を一つ奪われる形になります。こうもシナリオが整ってしまう安倍首相は、歴代の総理の中でも運が良い人物にカテゴライズされるのではと想像します。

(ナカモト)

ドイツの財政再建・・・ドイツが2015年に財政均衡を実現し、赤字国債の発行を46年ぶりに停止した。このため赤字国債は2014年に65億ユーロを発行するのを最後に姿を消すとされている。さらに債務そのものの削減も進め、直近まで80%だったGDP比の債務残高は2017年に70%を割り込む予想となっている。